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コラム 樹海

 来る日曜日から大相撲名古屋場所の開幕である。番付発表と同時期に、ブラジル出身力士の話題もあった。友綱部屋の魁ノ浜(序二段)が、去る五月、自身の決断によって日本国籍を取得したというのである。ほかの部屋でも同様のケースがあった▼この件は、二つの関連話をもたらした。一つは「相撲をやめて帰国しても、職を探すのが難しい国から来ている力士がほとんど。だから、こういう動きは加速される」。日本でならたとえ、相撲界から出ても就職の機会がある、という言い方だ。魁ノ浜は帰国して農業をするかもしれないし、一概にそうはいえない▼もう一つは「一部屋一外国人力士」の現行制度の〃抜け道〃につながりかねない、という見方。つまり、より有望な外国人を一人入門させるため、外国人を一人〃減らす〃事態が今後続いて生じるのではないか、という危惧だ▼北の湖日本相撲協会理事長は「大相撲の伝統を守る」といい、現行制度をかえるつもりはない▼現在、幕内力士で叩き上げの有望力士は稀勢の里だけ、上位の実力派たちは外国人と日本人の学生相撲出身者だ。協会としては、叩き上げこそ欲しい。だが、日本人の若者は叩き上げの対象になりにくい。頑張って、おカネを稼いで親孝行したい、と強い目的意識を持っている外国人の後塵を拝すことになる。多くの部屋の親方らの目が、外国人のほうに向きがちなのは致し方ない▼どうやら、名古屋場所も「外国人中心」の土俵を見ることになりそうだ。(神)

06/07/05

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