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邦人入植の歴史を映像に=百周年に向け初の試み=聖南西とリベイラ=記念事業の目玉に

2006年7月8日(土)

 【レジストロ発】リベイラ沿岸地方、聖南西地方の日本人移民史を映像に残すプロジェクトが発足、レジストロ日伯文化協会会館で六日午後、聖南西文化体育連合会、リベイラ沿岸地方日系団体連合会、レジストロ日伯文化協会、レジストロベースボールクラブ、NGO団体「ECO・FALANTE」の代表者が出席、調印式が行われた。同地方の邦人の歴史が映像に記録されるのは初めて。共同で百周年事業に取り組んでいる両地方関係者は、「弾みがついた。百周年事業の大きな目玉になる」と喜びの笑顔を見せた。
 「大きな責任を感じている。日系社会の信頼に応えたい」とやる気をみなぎらせるのは、記録映像などを手がけるNGO団体「ECO・FALANTE」のフランシスコ・グアリーバ代表だ。
 元々はリベイラ沿岸地方の自然や歴史を撮影する計画を持っていたフランシスコ代表だが、レジストロ市役所の近岡マヌエル経済開発局長から「日本人入植の歴史に取り組んでみては」と持ちかけられ、興味を持ったという。
 題名は「リベイラ沿岸・聖南西地方の日本人」(予定時間五十二分)。リベイラ沿岸地方からの再移住者が多い聖南西地方も取り上げることで、一九一三年の桂植民地から始まった同地の日本人移民の歩んだ道を辿るものになりそうだ。
 入植者の証言映像も撮影する考えで、来年完成予定。学校の教材ビデオとしても活用される。
 製作資金はルアネー法を申請し、民間企業に協力を呼びかけていく考えだという。
 レジストロ文協二番目の非日系会員でもあるクロヴィス・メンデス・レジストロ市長は調印式のあいさつで、「当地における九十三年の日本人の歴史はレジストロの歴史でもある」と位置付け、同市で進んでいる町の入り口に門と観光案内所を建設する計画にも触れ、「百周年事業として、連邦政府からの協力も確認している」と明かした。
 リベイラ連合(傘下団体十一)の山村敏明会長は、「レジストロを起点に多くの日本人が聖南西を経て、ブラジル各地に向かった」と両地方の密接な関係を強調、「百周年を皆で祝いたい」と力強く述べた。
 聖南西文化体育連合会(傘下団体二十五)の森エリオ会長は、「先人の苦労に感謝し、記録を将来に残していければ」と話した。
 なお、両連合、レジストロ、サンミゲール・アルカンジョの両市長は先月十日、レジストロ市の元海外興業株式会社(KKKK)で会合を行っており、百周年記念式典、スポーツ大会、ミス日系コンテストをレジストロ市で行うことを確認、記念碑建立の計画なども進めている。
 近岡局長は、「今まで取り上げられなかったこの地方における日本移民の歴史を残すことの意味は大きい」と映像化に期待を寄せている。

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