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 京都府議会友好団の議員から「日系社会での県人会の位置付けや役割を説明してほしい」との質問。生活の中でどの程度の比重を県人会活動が占め、県人子弟同士で婚姻する傾向があるのかなどだ。人文研の宮尾進顧問は「日系社会は混血が進んでおり、県人会の存続は難しい」と回答。一般論ではそうでも、県人会により様々というのが各論、実態か。沖縄系のように三世になっても県系人同士の婚姻が多く、集住する場合もある。「福井村」「長野村」等の愛称で呼ばれる移住地なら同県出身者も多い。ただし、「県人会存続には母県の協力が不可欠」とは一致したところか。
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 サッカーのベルマーレ平塚で通訳をしていた照屋直彦さん。元日本代表の呂比須ワグナー選手がベルマーレでプレーしていた時、呂比須は日本語が話せたので通訳は要らなかったが、次のような事があったとか。ある取材に対し呂比須選手が、ブラジルの話題をそのまま日本語に訳して話したところ、取材した記者が全くわからず、うけなかった事があったそうだ。逆に日本の話題をポルトガル語に訳して話しても全くうけなかったブラジル選手もいたみたい。「面白さ」の感覚の違いか。通訳した照屋さんも辛かっただろう…。
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 日経新聞十六日付けによれば、日本の法務省は中国と受刑者の相互移送を協議する方針を決めた。五月現在、日本で服役する外国人受刑者は約四千人。トップは中国人で千七百八十九人と半分近くを占め、続いて二番はブラジル人の四百十三人だという。三番はイラン人の三百七十九人、四番は韓国人の二百八十四人。受刑者相互移送条約が締結されれば中国人は祖国へ戻される。その次はブラジル人の番か。最近のPCC暴動の残酷さを見るにつけ、もしブラジルに戻されたら「やっぱり日本の刑務所のが良かった」なんてボヤキ声が聞かれるかも。

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