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30年ぶりに感激の対面=県費留学生ら76年の同期会

2006年8月2日付け

 まず相手の顔をみて、すぐに名札に視線を移し、今度は恐る恐る顔を見て驚きの表情を浮かべる。「ああっ!」とため息混じりに歓声があがる。次々に抱き合う。そんな光景が、一九七六年の県費留学生研修生三十周年を記念して行われた同期会で見られた。七月三十日正午からサンパウロ市内の鳥取県人会館で行われ、五十人が旧交を温めた。
 この日のため千百キロも離れた南伯ポルト・アレグレから日帰りで参加した関明子さん(61、富山県出身)。「やるって聞いただけで飛んできた。うれしいです」と満面に笑みを浮かべる。十五歳で移住した。
 当時は、一カ月かけて文協で事前研修をした。関さんもグロリア街の学生宿舎に泊まりこんで、県庁の人への挨拶の仕方、自己紹介、日本の習慣などを習った。もちろんブラジルについて質問されても答えられるよういろいろ勉強した。
 今より集団研修が長い分、同期への愛着が強い。
 アマゾン川河口ちかく、約三千キロ離れたパラー州カスタニャール市からきた神園エウザさん(53、北海道、三世)は「五十人も集まったことに驚いた」と目をみはる。
 全部で同期は七十三人。うち三人は死亡、五人が日本に住んでいるので、それ以外の大半が参加した。
 ミナス州ベロオリゾンテ市からきた久納林一さん(60、福島県出身)も、会場を見渡し「ここにいる半分は三十年ぶりだね」と感慨深そう。「変わった人も、そうでない人もいる。いざ会ってみると、もう三十年かという気持ち」。
 大分県人会副会長、矢野敬崇さん(59、大分県出身)の妻・三重子テレーザさんも同年の三重県留学生だ。訪日前に婚約していた。幼少時に来伯、二十九歳で留学した。矢野さんはパンアメリカン・ブラジル日系人協会会長、日本語センター評議員会長など多方面で活躍している。
 訪日留学が縁で結婚した夫婦が他に二組がいる。
 乾杯の音頭をとった山内オラシオさん(56、島根県、二世)も「日本で過ごした一年間が、その後の人生にすごく影響を与えている」としみじみ言う。「留学のおかげで日本の習慣に親しんだ。日本人と結婚し、うちの中じゃ百%日本語ですから」。
 パラナ州ロンドリーナ市から駆けつけた村尾ビットリオさん(57、北海道、二世)は「祖父の国で墓参し、日系人としての意識を強めた」と一年を振り返る。それを通して自分たち二世、三世の役割を「ブラジル社会と日本の橋渡し」と考えるようになった。
 二月から全員に連絡をとるなどコーディネートをした峰ソフィアさん(54、二世、岩手県)は「三十年前と気持ちは同じ」と再確認したという。岩手県人会理事を務める。
 回顧の会話と同時に「最近、県費留学生が減らされてさびしいね。デカセギばっかりになっちゃって」などと嘆く声も聞かれた。三十年もたって同期会が開かれるのは珍しく、青年時代以来の再会を楽しんだ。
 三十年前と現在の写真をスライド上映、ゆっくりと一人一人自己紹介し、最後にボーロ・カット。泣き笑いしながら、午後六時頃までゆっくりと積もる話に興じた。

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