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意外、『日本語教育』の世界=ベネズエラ=「継承」は考慮外=アニメや漫画がきっかけで=来伯教師語る=いま、日本ブーム

2006年8月3日付け

 「『ハルとナツ』の世界は大げさな作りものだと思ったの。『日本語教育』という世界があるなんてことは、夢のまた夢だったわ」と菊池昌子さん(53、一世)――ブラジル日本語センター(谷広海理事長)が主催した汎米日本語教師合同研修会に初めてベネズエラから参加した。南米各国にある日系コミュニティーの中でも、ベネズエラの話は少ない。同国からの参加者、菊池さんと阿佐由美子さん(35、一世)に、ベネズエラでの日本語教育を聞いた。
 日本語の『継承』という感覚はなかったという菊池さん。「母国語に加えて、他にもう一つ言葉ができればいいなという考え方があるでしょう。これまで日本語はそういうものだと思ってたんです」。
 「研修も教材もあまりない」と阿佐さん。同国では、日本語教師が集まる研修がほとんどないのが現状だ。
 今年三月、国際交流基金はベネズエラで四年ぶりに教師研修会を行った。研修会は大好評で他州での開催の要望も出た。
 同国での日本語教育は、大使館の日本語講座、大学のクラスや市民講座、ボランティアが行う講座ぐらいで「日本語の私塾なんてないのでは」。ブラジルでの日本語教育の多くが私塾で行われていることには驚いたそうだ。
 首都カラカスの日本人学校には日本からの教師が派遣されてくるが、「外国語としての日本語」を教えたことのない日本からの教師に、日本語のできない三世や非日系の授業は難しい。七年前ほどにボランティアでなる補習校、カラカス日本語教室が始まった。
 今、ベネズエラは日本ブーム。これまで、日本といえば寿司・刺身だったのが、折り紙、映画、盆栽、空手、碁と広がった。アニメや漫画がきっかけとなり、雑誌や音楽に興味を持ち、その刺激で日本語を始める人が多いのはブラジルと同じだ。
 市街地には日本食を扱うレストランが見られ、「日本食のファーストフード店もある」。ただ、店の経営をするのは皆ベネズエラ人だとか。
 ブームの影響を受けて、生徒三人ほどで始めた日本語学校でも、二、三年前から受講生が増加している。
 「三十人いるうちの半分以上は非日系」。カラカス日本語学校で教鞭をとる阿佐さんは、ベネズエラ人に日本語学習への需要があると話す。「デカセギという話は聞かないんだけど」。
 同国においても、日本語教師は「教職だけでは食べていけない」のが現状。主婦がアルバイトの一つとして教えている場合が多い。「月謝が安いから、現地の人が気軽に学ぶことができる」との見方もあるが、それでは日本語教師は育たない。
 交流基金による講習会の後、教師同士で勉強会を開くという話も持ち上がった。阿佐さんは今回汎米研修に参加して「これをきっかけにベネズエラの日本語教育を広げていきたい」と抱負を語った。

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