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デカセギ帰国者、留守家族の現状は=調査団が二度目の来伯=スザノ福博村でも実態調査

ニッケイ新聞 2006年8月18日付け

 デカセギから帰伯したブラジル人やその家族の実態を調査するため、現在、北海道大学大学院の小内透教授を団長とする調査団が来伯している。日本学術振興会の科学研究費補助を受けて実施されるプロジェクトで、十三人の研究者が参加している。期間は四年間で、今年が二年目。昨年に続き、二度目の来伯となる。一行は二十三日まで滞在し、聖市内の日系教育施設や、スザノ市の福博村などで調査活動を行う。
 同プロジェクトは、デカセギで日伯両国間を行き来する日系ブラジル人を対象に、日本国内、ブラジルの留守家族、帰国者とその子弟の実態、社会への適応状況などを調査するもの。それぞれの国での研究はあるが、日伯両国にまたがって行われるのはめずらしい。
 最初の調査団五人は昨年八月に来伯。調査の下準備として、資料集めや関係機関へのヒアリングを行った。
 小内教授のほか、ジャーナリストで武蔵大学社会学部専任講師のアンジェロ・イシさん、札幌国際大学幼児教育学科の品川ひろみ講師は、昨年に続き二度目の来伯。今年は新たに李明玉・北海道大学言語文化部助教授、小野寺理佳・名寄市立大学保健福祉学部助教授、野崎剛毅・國學院短期大学幼児・児童教育学科専任講師が調査団に加わった。
 昨年の調査をもとに今回は、聖市を中心に、デカセギ帰国者の現状や、帰国子弟、親への聞き取り調査を行う。聖市でデカセギ帰国者の就職支援活動「ただいまプロジェクト(Projeto Tadaima)」を実施するNGO団体「グルッポ・ニッケイ」(島袋レダ会長)や、市内の幼稚園、小中学校でのインタビューを予定している。
 このほかにスザノ市の福博村でも調査を実施。デカセギ経験者や留守家族への聞き取りを行い、デカセギが村にどのような影響を与えているのか実態を調査するという。
 同プロジェクトでは、日本国内の在日ブラジル人集住地でも調査を実施。昨年は群馬県大泉町で、今年は愛知県の豊橋市で調査を行った。
 今回は、デカセギ帰国子弟の社会適応状況や、留守家族への聞き取りなどにも重点が置かれている。
 大泉町では、保育所の子供の三割がブラジル人子弟のところもあるという。昨年も来伯した品川さんは、「小さい子供はすぐに慣れるから大丈夫という人もいますが、本当にそうなのか。ブラジル側の教員の意識も含め、日伯の違いを見たい」と話す。
 日系二世で、日本で十六年暮らしているアンジェロさんは、「在日ブラジル人や帰国者、家族などの調査はこれまでにもそれぞれの国で行われてきたが、日本の調査団がブラジル国内で調査を行うのはめずらしい。貴重なデータになると思う」とプロジェクトの意義を強調した。
 昨年の下準備を踏まえて、今年からブラジル側の本格的な調査が始まるという。「今回はできるだけ一般の人の声を聞きたい」と抱負を語る小内教授。「デカセギは、日本国内では本人の問題を含め、地域にも影響を及ぼしています。ブラジル側でも、留守家族やリピーターの問題がある。これらの問題をトータルでどう解決していくか、子供の問題も含め考えたい」と話した。

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