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初めての先亡者慰霊法要も=27日、カロン支部50周年=沖縄県人会

2006年8月19日付け

 ブラジル沖縄県人会ビラ・カロン支部の創立五十周年式典が二十七日、サンパウロ市ビラ・カロン区の同支部会館(Praca Haroldo Daltro,207)で開かれる。当日は節目を祝う記念式典と敬老会、芸能公演が行われるほか、支部創立以来の物故者を偲ぶ先亡者慰霊法要を執り行う。高安宏治支部長は、「たくさんの人に来ていただき、盛大に、立派な式典にしたい」と参加を呼びかけている。
 一九五六年、二十七人で始まった沖縄県人会ビラ・カロン支部は、半世紀を経て、在伯県人会の中で最も大きな支部に成長した。現在の会員数は四百五十家族。次男や三男など入会していない人を加えると、同地区に暮らす県系人は千五百家族以上に上る。
 高安支部長によれば、五十年前、同地区にはすでに多くの沖縄県人が住んでいたそうだ。地方から移ってきた人やボリビアからの転住者などが、主に縫製業の下請けや、フェイラのパステイス業に従事していた。下請けの期間に仕事を覚えながら資金を貯め、ブラス区などに出店していったという。
 世代の移り変わりとともに、同地区の職業も変わり、現在では金物の小売卸業や化粧品販売など多岐にわたっている。建築資材を扱う県系企業家グループ「グルッポ・オキナワ」もカロン区にある。
 式典当日は午前九時から支部会員物故者の慰霊法要。その後、午後二時から祝賀式典と敬老会、祝賀芸能公演を行う。
 同支部で先亡者の慰霊法要を行うのは初めて。献楽、献花、献茶の儀とともに、創立以来の会員物故者、約三百人の名を記した過去帳を納める。
 式典では支部創立以来の功労者を表彰、歴代支部長、婦人会長などに感謝状を贈呈する。
 敬老会では八十歳以上の高齢者九十九人に記念品などを贈るほか、九十九歳の白寿者二人に花束を贈呈。その後行われる祝賀演芸会では、沖縄民謡、舞踊、空手の演舞や沖縄太鼓など、様々な沖縄芸能を披露。地元の「ビラ・カロン沖縄学園」の子供たちも出演する。
 高安さんをはじめ、平良吉章第一副支部長、山田義和第一会計など支部関係者が案内のため来社した。「カロンで慰霊法要を行うのは初めてのこと。ぜひ家族や友人、親戚ともども来てほしい」と呼びかける高安支部長。「多くの人に来ていただき、盛大な、立派な式典にしたい」と期待を込めた。
 カロン支部では節目の年にあわせ、支部の五十周年記念誌を編纂している。現在調査を行っているところで、来年の完成を目指しているという。

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