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USPで全伯日本学会=日伯の研究者がサンパウロ市に集う

2006年8月29日付け

 「第十七回全伯日本語日本文学日本文化大学教師学会」および「第四回全伯日本研究国際学会が三十一日と九月一日の二日間にわたり、サンパウロ大学日本文化会館(Casa de Cultura Japonesa)において開催される。
 同学会は、ブラジルにおける日本研究の展開や深化を目的として毎年行われ、日本語・文学・文化コースをもつ国内大学が開催校となって実施されてきたもの。
 今年はサンパウロ大学が開催校となり、サンパウロ大学日本文化研究所、哲学文学人間科学部東洋文学科日本語日本文学コース、同学大学院日本語日本文学日本文化プログラムの主催によって実施される。
 二日間に渡って開催される同学会では、講演会や口頭及びパネルによる研究発表、テーマ別の研究報告と討論を行うラウンドテーブル、ドキュメンタリービデオ上映などのほか、今年創設十周年を迎えるサンパウロ大学大学院日本語日本文学日本文化プログラムの記念セッションが予定されている。
 初日の三十一日には、日本から参加する浮世絵研究の第一人者早川聞多国際日本文化研究センター教授による「十七世紀初期の京都のパノラマ図(舟木本・洛中洛外図)をめぐって」と題する基調講演が予定されている。また、サンパウロ大学に客員研究員として滞在中の久野マリ子國學院大學教授による講演「首都圏方言の提案―東京ではどう話しているか」、大学院プログラム創設十周年記念セッション、石井エリオ氏製作のドキュメンタリービデオ「手紙」上映、研究発表が予定されている。
 二日目は、久野眞高知大学教授による講演「若者と方言」、早川教授による二回目の講演「蕪村と春信―雅俗をめぐって―」のほか研究発表、ラウンドテーブル(日本語日本言語学研究者及び教員の養成、日本語文の翻訳―特殊性と課題―、ブラジルにおける日本宗教)などが実施される。
 同学会組織委員会は、「学会参加申し込みは例年を大きく上回るものとなっていて、ブラジルにおける日本への関心が大きくなってきているように感じられる。日本からの第一線の研究者による講演は日本を理解する上で、とても有意義な機会であるとともに、ブラジルにおける日本研究の現状や内容を知ることができる数少ない機会でもあるので、読者の皆様も是非、足をお運びください」と参加を呼びかけている。
 参加申し込みは学会当日においても可能。主要講演には日本語―ポルトガル語の同時通訳がつく。
 学会についての詳細は(www.fflch.usp.br/dlo/cejap)。問い合わせは組織委員会事務局(11・3091・2426または11・3091・2423、ビビアン)まで。
 プログラムは次の通り。【三十一日】午前八時=受付開始、八時半=開会式、九時=早川聞多教授(国際日本文化研究センター)講演、十時半=休憩、十時四十五分=久野マリ子教授(國學院大學)講演、十二時十五分=昼食、午後二時=研究発表、四時半=サンパウロ大学大学院日本語日本文学日本文化プログラム十周年記念セッション、五時四十五分=石井エリオ氏製作のドキュメンタリー「手紙」上映。【九月一日】午前八時半=研究発表、十時十五分=休憩、十時半=久野眞教授(高知大学)講演、十二時=昼食、午後一時半=学生部ポスター発表、二時=早川聞多教授(国際日本文化研究センター)講演、三時十五分=休憩、三時半=ラウンドテーブル、五時四十五分=閉会式及び総会。

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