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百周年記念に1000冊=コロニアに図書寄贈=日伯関係者が手を組んで

2006年9月16日付け

 百周年で一千冊――。現在、二〇〇八年のブラジル日本移民百周年を記念して、日本語図書一千冊をブラジル日本文化協会などに寄贈するプロジェクトが進んでいる。日本の三省堂書店の亀居忠雄取締役社長とビジネスコンサルティング翡翠(ひすい)社の岡本弘昭社長、ブラジルの建築・不動産会社小松マンクス社の小松幹彦社長が携わっている活動で、日本の各出版社から寄付を受け、JICAの支援制度を利用してブラジルへ送られる予定だ。
 寄贈される図書一千冊は、日本の各出版社からの寄付品となり、そのうち六百冊は文化協会へ寄付される予定。残りの四百冊の行き先は、ニッケイ新聞社の高木ラウル社長が一任し、決定することになっている。
 同プロジェクトのブラジル側代表を務める小松社長は、以前、(旧)ブラジル日本リース社で社長を務めていた。一千冊の図書を寄贈する案は、「当時(旧)日本リースの社長を務めていた岡本社長のもの」だという。
 寄贈品は、国際協力機構(JICA)の「世界の笑顔のためにプロジェクト」を通して送られる。同プロジェクトは、教育・福祉・スポーツ・文化などの提供品をJICAを通して世界各地へ届ける制度。
 寄贈先となる文化協会図書館は、古くなった書籍や欠けている分野も多い。同図書館の蔵書の拡大は、ブラジル日系社会への貢献とともに、日本文化・日本語等の普及にも繋がることは著しい。
 図書館では希望書籍の要望書を提出。一般図書二十四分野のほか、参考図書の事典や法令法類、新書や文庫なども希望しているという。JICA日系社会シニアボランティアで同館の司書を務める山本自子さんは、「六百冊もの寄贈は本当にありがたい」と話している。
 書籍は来年度の半ばごろにはブラジルへ到着する予定だ。「確約は出来ないが、できるだけ(希望されている分野に)準じて寄付したい」と小松社長は見通しを語った。

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