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平和の大切さ考える機会に=文協水曜シネマ=被爆ドキュメンタリー上映=入場2万人突破の節目に

2006年9月23日付け

 二〇〇五年八月から開始された文協水曜シネマの入場者数が二万人を突破したことを受け、来月四日、特別企画として、サンタ・カタリーナ州ラーモス移住地在住の被爆者、小川和巳さん(77、長崎県出身)の体験をドキュメンタリー化した映画「Memorial da Paz」の上映会ならびに平和講演会が行われる。午後一時から予定されている勝新太郎主演「兵隊やくざ」上映後の実施。小川彰夫文協副会長は、「みなさんに支えられて二万人の来場者を迎えることができました。この特別上映、講演を通して平和の意味を考えるきっかけになれば」と多くの来場を呼びかけている。
 ラーモス移住地在住の被爆者である小川さんの体験をもとにしたドキュメンタリー映画「Memorial da Paz」は、地元大学生が製作したもので昨年、ミーナス州で開催された第四回ヴァルジーニャ・シネマ・フェスティヴァルのドキュメンタリー部門でグランプリに輝いた作品。
 十六歳の時、長崎で被爆、六四年にラーモス移住地に入植した小川さんは、ネクタリーナ、リンゴ、梨やシイタケなどを州の特産物にするため尽力する一方、ラーモス原爆被害者の会会長を務め、同移住地内に平和公園建設を提唱。
 九八年、長崎県国際親善協会から「平和の鐘」が送られたことから造成が始まり、サンタ・カタリーナ州政府も三十万レアルを助成、州と移住地が一致協力した〃ブラジル平和基地〃建設を成し遂げている。
 これらの功績が認められ〇四年、同州から民間人が受ける最高位の勲章「アニタ・ガリバルディ章」を日本人として初めて、受章した。
 同州の学校で第二水曜日に行われる平和学習の場で、小川さんは被爆体験などを語り、平和の大切さを伝えている。
 「私の話にみんな熱心に耳を傾けてくれる。ブラジルは戦争のない国だが、平和の尊さを理解しようとする姿勢がある」と感想を話す。同ドキュメンタリー映画の上映も地元ラーモス移住地や近隣の町ですでに行っている。
 上映会・講演会についての詳細は文協(電話=11・3208・1755)まで。

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