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◇コラム オーリャ!


コラム 

 先週開かれたジャクチンガ植民地出身者の集い。今は住む人のない〃消えた移住地〃の七十周年を祝う人たちがいた。
 七十年。高齢の参加者の姿に、いわゆる子供移民や二世が七十代、八十代になっていることを、あらためて実感する。
 人によってはわずか数年の生活。それでも、多感な子供時代を過ごした土地の思い出は、数十年を経ても色あせない。「わら屋根が腐って、家の中からお月見ができた」ことさえ懐かしい。
 慣れない農業、慰安の少ない生活。開拓に汗を流した父母の多くは亡くなった。学校や道路の建設、馬の貸し借り。子供が見た開拓風景の中で「大人たちはいつも助け合っていた」という。
 その言葉と共に、「父はいつも同船の人達とピンガを飲んでいましたよ」、別の女性が聞くともなく話した言葉も、心に残った。「今思えば、日本への郷愁があったんでしょうね」  (ま)

2006/10/18

Copyright 2004 Nikkey Shimbun (Jornal do Nikkey)

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