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◇コラム 樹海

 「百二十四もプロジェクトがあるんですか? で、そのうちどのぐらい資金が集まったんですか?」。百周年執行委員長に就任した早々、松尾治氏が先月訪日した折り、日本側関係者に確認されたという。だが「ゼロです」と苦渋の回答をせざるをえなかった▼今までの「数打ちゃ当たる」式のやり方が通用しないことは、今回の外務省や日本側関係者の対応でも明らかだ。本来、前執行部が受けるべき苦情や批判が、松尾氏に向けられた図式だ▼祭典本番まで一年半となったこの時期に、そう答えざるをえない事態にした責任は、誰にあるのか。もう、日本側に資金を全面的に頼るようなプロジェクトは白紙に戻すべき時期にきている▼百周年を立て直すために肝要なことは「信用を取りもどす」につきるのではないか。政治家頼みの奇策に頼るより、「たったそれだけ!」と言われようとも事業を厳選し、着々と進める姿を見せることで信頼を回復する。それ以外に方法はないだろう▼現在の百周年協会には文協に払う家賃すらもない。まずは「百周年基金」のような財政基盤が必要だろう。十レアルずつでもいい、全伯どこからでも振り込める免税口座を早急に開設し、浄財を集める手だてをとる。新執行部の運営に対し支持が集まるたびに資金が振り込まれるような仕組みが大事だ▼前執行部が〃一万ドル記帳〃を始めたが全然進展しなかった。当然だ。もっと身の丈にあった金額でいい。まずコロニアで寄付を始め、足りない分を日本にお願いするのが本来の筋ではないか。(深)

2006/10/18

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