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「今国会で法案議決を」=嶽釜会長、本紙に語る=ドミニカ問題

2006年10月20日付け

 【東京発】「裁判と式典を終え、すこしホッとしてます」。東京で行われた海外日系人協会に出席したドミニカ日系人協会の嶽釜(たけかま)徹会長は九月二十六日、ニッケイ新聞の取材に対し近況をそう語った。
 「首相特使や九人の国会議員に来ていただき、立派な移住五十周年記念式典ができました」。七月二十九日に式典も挙行、日本の大手マスコミも一斉にとりあげた。「入植以来、カリブの小さな国に捨てられた棄民でしたが、ようやく移民になれました」。
 六月七日に下された東京地裁の判決では敗訴したものの、小泉首相(当時)は異例の謝罪文を出し、特別一時金を払うことを発表した。「棄民扱いされていても、移住者として、日本を愛する日本人として他国で責任ある行動をと心がけ、ドミニカでがんばってきて良かったと思いました」。
 しかし、特別一時金はいつ支払われるか分からないという。「あれを国会で議員立法として通していただかないと、実際の支払いにはならないんです。ぜひ今国会で議決してほしい。ドミニカの移民は高齢化が進んでおり早く解決を」と訴える。
 小泉首相は謝罪文の中で「日系人社会の拠点作りへの支援」「移住者保護謝金の拡充を含む高齢者および貧窮者支援」「移住者子弟のわが国への招聘等を通じた人材育成」など、更なる協力を積み重ねていくと約束している。
 「本当にこれをやってくれるか、一つ一つ見届けたい。どう具体化するかはこれからの作業ですから、まだまだ気が抜けません」。
 海外日系人大会の代表者会議でも安倍首相にさっそく注文。「新政権は〃尊敬され愛される国〃を目指しているが、それを実現するには、海外の日系人への援助や協力を今以上の気持ちでやってほしい」と演説した。
 ドミニカ代表はこの大会で、世界の日系人の半数以上を占めるブラジル勢の存在感を遥かにしのぐ存在感をアピールした。

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