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サンパウロ市・大阪友好の印=イビラプエラの桜、順調に

2006年10月20日付け

 桜の専門家として知られる沖眞一さん(67、広島県出身、ブラジル東京農大会副会長)が十八日、イブラプエラ公園内に植えられた桜の木の手入れや剪定を行った。
 これらの桜は、サンパウロ市と大阪市の姉妹都市提携三十周年を記念して、二〇〇〇年に公園内にある日本館と開拓先没者慰霊碑の前から湖畔に沿って植えられたもの。
 現在「パビリョン・ジャポネス」と名付けられたその地には、「寒緋桜」「ヒマラヤ桜」「雪割り桜」の三種類が植えられ、開花が早い順に六月(寒緋桜)、七月(ヒマラヤ桜)、八月(雪割り桜)の三カ月間、桜が楽しめるようになっている。
 昨年に比べ、倍に成長した。ボランティアで手入れに協力してきた沖さんは「植物が動けない分、人間が環境作りをしなければ」と話す。まるで我が子を育てる親のように熱心に作業を進める。
 「桜はコロニアの人間と一緒。〃一緒に生活すると都合の良い環境〃といったものが桜にも存在する」という。
 日本での「苗の間隔をあけて広く植える」という桜の育て方に対し、ブラジルでは、「(日本よりも)密着させて植させる」方法を取るそうだ。一本だけ植えると日焼けしてしまい木が死んでしまう。「その環境を作ってあげることが自分の役目」と沖さんは言う。
 桜以外の木の整枝もまめに行い、仕上げには栄養剤や防虫剤などを散布。
 「来年、池に映って倍に見える桜をみるのが楽しみ」と伸び盛りの若木を見守っていた。

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