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東西南北

2006年11月10日付け

 国連世界保健機関の事務局長選挙が八日、行われた。ブラジルはラテン・アメリカから唯一立候補したメキシコの保健相を差し置き、当選が確実視されている中国のマーガレット・チャン女史に一票を投じた。中国がブラジルからエイズ抑制剤一五〇〇万ドルを輸入したことへの返礼という噂がある。政府は国際機関の選挙は次々とあるので、取引とは無関係としている。
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 大サンパウロ市圏イタペセリカ・ダ・セーラ市で八日未明、主婦の女性(39)と娘二人(19、9)が首を刃物のようなもので刺され殺害された。孫の二歳の男児は母親が上にかぶさってかばい、唯一人生き残った。警察は同日午後、女性の恋人(40)を逮捕。男は、女性が前夫と会っていたことへの復讐をほのめかしていた。
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 警察は八日、拳銃三丁に携帯電話数十台、大金、書類などをサンパウロ市東部ペニャ区にあるマンションの空き部屋で押収した。マンションの隣人が配水管のトラブルに気づき、管理組合長を呼んで中に踏み込み発見。使い古したレアル札は三〇万レアル、ドルは九万ドルに上るという。警察は麻薬取引に使われたものとみて捜査を開始。
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 十五年前にサンジョゼ・ド・リオ・プレット市でエイズと誤診された女性(56)に対し、裁判所は八日、二〇万レアルの補償金を支払うよう命令。
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 二億四五〇〇万レアルの赤字を抱えるサンパウロ市クリニカ病院の心臓病研究センター(Incor)が八日、職員三五〇〇人に対し、二カ月連続となる給与支払い停止を決定。州政府は予算を三〇%増額したが解決には程遠く、診療停止の可能性が高まっている。

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