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岩上宗輝さんを偲ぶ=裏千家宗旦忌にあわせて

2006年12月15日付け

 恒例の宗旦忌茶会が、去る十一月二十六日午前十一時から、裏千家伯栄庵教場(林宗慶代表)で開催された。鈴木弘一さん司会のもと、今年一月死去した岩上宗輝さんを偲び、クリチーバの茶の湯会のメンバーによって供茶が行われた。点前の原浜子さん、半東の石田雅子さん、緊張の面持ちで、静かに、厳粛にとり行われた。親族の、子息岩上実さん、実兄岩上進さんが感謝の言葉を述べた。
 宗輝さんによって育てられたクレシオさんは「九年間、輝子先生(宗輝さん)は自分にボルサを出して、茶の湯を教えてくれた。とっても幅広い活動をしておられた」と追悼の言葉を述べていた。
 林宗慶代表により三十人に許状の引次が行われ、各席にわかれ、茶会が始まった。八畳七事式の席では、貴人清次、且座の式、濃茶付花月、茶通箱花月、一二三などが行われ、本席四畳半席(責任者、池田宗美さん)では、宗輝さんを偲び、李白の詩の軸が掲げられ、故人を追悼した。菓子は、安西製の銘「空木」。
 また、立礼席(責任者、浜岡宗光さん)では、青竹に涼しげな蘭が生けられ、「枝上一蝉吟」の短冊に、紺青のクリスタルの水差し。また点心席では松原宗美、萩野宗香、牧洋子、高橋晶子さんらによる手づくりの懐石料理。涼しげな美しい盛り付けに、思わず優雅な時を満喫する。新しい年への精進を誓い合い、閑雅なうちに散会した。

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