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コラム オーリャ!

2006年12月22日付け

 なぜアルモニア学生寮がサンパウロ市を離れたサンベルナルド市に建てられたか、疑問に思っていた。
 『ブラジル力行会全史』(林寿雄著)の記述をみて納得した。都塵から離れた環境で共同生活によって友情をつちかい、お互いに切磋琢磨して人格を作る場所として場所が選定された、という。キリスト教と縁の深い力行会らしい発想だ。
 同書によれば、当時は「紅燈の巷に青春の一番大切な時期を誤る若者も数多くいた」という。
 その上棟式が行われた五一年には周辺に何もなかった。設立元年とされる、第一期生十三人が入った五三年もしかり。当時の一世たちは「貧者の一灯」「克己献金」を合い言葉に、二世に夢を託して建設を目指した。
 その子孫が役員になり、先陣を切って奉加帳に記帳している。力行精神の骨子、奉仕の念は今も続いている。(深)

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