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コラム 樹海

2007年1月10日付け

 歴史に学ばない為政者は国を誤る、とよくいわれる。「為政者は」と「国を」のところをほかに置き換えると、それぞれに対しての教えなり警告になる。たとえば、移民百周年祭典協会の役員が学ぶべきは、過去の、一世のコロニア主要団体の役員たちの残した仕事、ということになるのだろうか▼『美しい国へ』という本を書いた安倍晋三首相は、先人である祖父・岸信介元首相をこの上なく尊敬しており、その為政者としての考え方、業績に学ぼうとしている。一方、「反岸」の人たちは「それは危うい」と言う。だから、歴史に学ぶとしても、学ぶべきことの見い出し方は、それぞれ違うのだ、といえる▼一昨年、文協役員選挙は史上初の会員直接投票によって行われ、一世陣営(この表現に異論は多かろうが)は、完膚無きまでに叩きのめされた。勝った側は、おおざっぱにいって二世たちだが、ことコロニアの公的団体の運営に関しては、歴史を否定するところから始めたという言い方ができそうだ。学んだのだろうが、否定した、といってもいい▼指導者として、移民五十周年、六十周年、七十周年、八十周年の祭典を主導した一世たちは「おのれの分(ぶん)」を知っていて、その範囲内で祭典をすすめた。やれないと見通したことはやらなかった▼学ばないと(先を)誤る、その対象となる歴史の観方、評価が、必ずしも一致したものでないことは常にある。それでも、今年も、先人はどうしたのか、と一顧はしたい。(神)

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