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パラグァイでステビアの甘さ体感=年頭、日本から代議士2人=零細農民へ生活向上支援=米州開銀基金の活用ぶり視察

2007年1月12日付け

[アスンシオン]新年が明けた三日、日本の衆議院議員二名がパラグアイを訪問して六日まで滞在、特産のステビアの甘さを身をもって体験した。自由民主党に所属する井上信治さん(東京都)と山際大志郎さん(神奈川県)だ。日本政府(財務省)が米州開発銀行(本部・ワシントン)に拠出している特別基金がどのように活用されているかを自分の目で確かめよう、という三十代後半の意欲あふれる政治家たちだ。
 日本では「政府開発援助・ODA」といえば、外務省や国際協力機構(JICA)や国際協力銀行(JBIC)を通して、というのが国民の一般的理解となっており、財務省が直接ODAに関わっていることは永田町(立法府の俗称)界隈でも殆ど知られていない、という指摘もあるほど認識されていない。米州開銀の域外加盟国の中で、日本が通常予算の最大の拠出国となっていることも日本国内ではあまり知られていない。米州開銀にある日本特別基金も複数あり金額も加盟国の上位にあるようだ。
 今回は、日本特別基金の中にある貧困削減プログラム(JPO)の運用を視察することに焦点を当ててのパラグアイ訪問だった。このプログラムは、二〇〇一年一月に三千万ドルの枠で米州開銀の中に設置され、期限は二〇一〇年まで、と財務省の資料に明記されている。全額が日本国民の税金で賄われている。
 このプログラム資金を民間団体(ポ語略称・ONG、英語略称・NGO)が活用する場合、支援の上限額は一案件に対して十五万ドルだ。二〇〇六年十二月二十一日までに八十案件が承認されている(財務省資料)。プログラムの有効期限は、今年を含めてあと四年しか残っていない。
 六日、井上・山際両代議士は首都アスンシオンから九十キロほど離れているカラガタウ(Caraguatay)を訪問した。ここでは、零細農民の生活向上のための『ステビア』栽培プロジェクトをオイスカ・パラグアイ総局(ミチオ高倉会長、大分県出身)が企画している。二〇〇六年四月に米州開銀の貧困削減プログラム(JPO)に申請した案件だ。
 『ステビア』はパラグアイ原産の永年作物で、甘さが砂糖の三百倍近くあるが、カロリーがゼロに近いのが特徴だ。甘味料だけでなく、糖尿病などへの医薬効果、さらには、有機肥料効能もあることが証明されている。カラガタウで『ステビア』の葉を噛んだ両代議士が「本当に甘いね!」と驚いていたほど甘い。
 最近、パラグアイでEirete(エイレテ)という新しい品種が開発された。地元の専門家の一人が代議士たちに「この品種は糖分含有量が二一パーセントあります。普通の在来品種は一四%、中国で栽培されているのは五%しか糖分を含んでいません」と誇らしげに説明していた。
 両代議士は、現場のオイスカ試験ほ場に植えられているEireteの枝を二本ずつ移植した。カラガタウ地域で活躍しているJICA青年協力隊員の長瀬晶くん(神奈川県・東京農大卒)が移植の介添えをした。
 『ステビア』は日本でもブラジルでも広く活用されている。最近は欧州諸国も注目しているようだ。日本国民の浄財でできている基金がパラグアイの零細農民の生活向上に役立ち、製品の国際市場が広がれば、日本の間接的な貢献となる。このプロジェクトに日系ONGが関わる可能性が高いため、「日本の顔」も見えてくる。
 年の初めに実現した井上信治議員と山際大志郎議員のパラグアイ訪問が、日本の政治家の目をもっともっと南米に向ける一里塚となることを期待したい。そして、この『ステビア』栽培プロジェクトが実現すると、中南米の日系団体が米州開銀の日本特別基金貧困削減プログラム(JPO)に参入する一種の誘引剤となりそうで、今後も目が離せない。

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