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今年も〝まっしぐら〟に=いのしし会=150人参加、親睦深める=5人の「大亥」も元気に

2007年1月27日付け

 今年は亥年――。コロニアの亥(いのしし)年生まれ生まれの人でつくる「いのしし」会(西徹代表)の二〇〇七年新年会が二十三日、サンパウロ市の三重県人会館で開催された。亥年の今年は、九十六歳になる「大亥」五人をはじめ、例年を上回る約百五十人の「年男」「年女」が会場を訪れ、親睦を深め合った。
 亥年生まれには、植木茂彬元鉱山動力大臣や下本八郎元サンパウロ州議、佐々木陽明・浄土宗日伯寺開教総監がいる。また現役の県人会長や会長経験者も多い。
 当日も各方面の亥生まれの有志が多く出席。今年は九十六歳、八十四歳、七十二歳、六十歳、四十八歳、三十六歳、二十四歳、十二歳、そして〇歳の亥年が集合した。
 同会は、一九八三年、旧南米銀行の会長をつとめた故・橘富士雄さんが中心となり六十六人の亥年を集めたことから始まる。「昭和天皇崩御」の年と「ペルー日本大使公邸占拠事件」が起こった二年を除いて毎年開催されてきた。今年二十四年目、二十二回目の開催。他の干支では見られないほど長い歴史だ。
 会の冒頭、物故者へ一分間の黙祷を捧げた。その後、あいさつに立った西代表が会の歴史を説明。また今年はスダメリス銀行の清水オリジオ取締役の援助があり例年より会費が安くなったことを紹介し、同氏に謝意を表した。
 アルジャゴルフクラブ理事長の近沢宗貴さんも紹介され「世話人の方たちのおかげで毎年百人以上が集うことができます」と西代表。
 「亥年というのは、みなさんから愛されやすく、仲間意識が強いもの。今年も、猪のごとくまっしぐらに突き進んで行きたい」とあいさつ。「伝統のある猪会は、(ブラジルの)どこにもありません。ということは世界にもない」と述べると会場から大きな拍手が起こった。
 今年九六歳を迎える「大亥」は、林壽雄さんと蔵本亜嵯子さん、矢野コイトさん、輿水増雄さん、山川賢一さんの五人。
 その一人の林壽雄さんによって、「猪会のますますの発展を祝って乾杯!サウージ!ヴィバ!万歳!」の発声で乾杯。その後、食事を囲んで歓談した。
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 「こうやって亥生まれの人が毎年集まるの嬉しくて仕様がない」――。
 林さんは、同会の創立当時からの会員。初代会長を務めた橘さんをよく知る林さんは「猪会は橘さんが始めてくれたもの」とあらためて同会を創立させた橘さんに対して感謝の気持ちを示し、思い出を語っていた。
 年齢を想像させない若さを保つ蔵本亜嵯子さんも大亥の一人。元気な姿で会場を駆け回る蔵本さんに健康の秘訣を聞くと「心配を抱えないこと」と一言。会場では、隣の席の人はもとより遠くの席までスタスタと足を運び、年に一度の知友との交流を楽しんでいた。
 当日は、清水取締役から故橘初代会長と同じ年である九十六歳の五人に特別に敬老記念品も用意され、同会設立から会を見守ってきた五人に対して敬意が示された。
 会場では、鈴木宴さん(三世)が横笛を披露し会場を盛り上げたほか、ビンゴも行われた。

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