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静岡県人会ことし50周年=大型予算組んで対応

2007年2月20日付け

 ブラジル静岡県人会は十八日、同会会館で、〇七年度の定期総会をおこない、鈴木静馬会長の五選を一年任期の条件で決めた。出席した会員ら約六十人が賛成多数で承認した。
 鈴木会長の任期は九年目。鈴木会長は昨年、心臓の手術をおこない、現在も体調が完全でないことから、会長職を退く意向を示していた。
 しかし、会長の異動は今年八月に予定する創立五十周年式典の準備に影響がでると判断した役員らが、会長職の続投を鈴木会長に要望、今年度限りの会長就任が特別に決まった。
 鈴木会長によれば、記念式典は今年八月十九日に同会館でおこなう。会員ら約四百五十人の参加を見込んでいる。式典費用は五十周年記念誌の編纂を含めて、約九万五千レアル。母県の援助のほか、企業や会員の寄付で資金を準備する。
 記念式典にあわせて母県から知事ら慶祝団、約三十人の来伯が期待されている。慶祝団は滞在中、通訳五人組の一人で、サンパウロ州カフェランジア市にある平野運平(静岡県出身)の墓参りに訪れるという。
 記念誌の編纂は、式典開催日を目標に進められている。三百ページ、約五百部を式典日に無料配布する。内容は県人会の五十年の歩み、県人ブラジル在住者の名簿、平野運平の歴史などが盛り込まれる。
 式典当日のアトラクションとしては、会員によって静岡の賛歌にあわせて体操する「健康音楽体操」が披露される。
 このほか、昨年の収支と今年度の予算案が報告された。昨年度の収入は十一万六千九百六レアル、支出は十一万四千六百八十六レアル、二千二百十九レアルの黒字予算と発表された。今年度の予算は、式典準備費を盛り込んだため、二十一万八百四十レアルの大型予算となった。
 年間行事予定では、四月に会館で慈善バザーを開催。七月には県連主催の日本祭りへの参加を予定しており、緑茶やうなぎの蒲焼などを販売する計画だ。
 同県人会は帰伯逃亡デカセギ問題に関して、交通事故で長女を失った湖西市の被害者、山岡夫妻の要望で、日伯間の犯罪者引渡し条約締結や代理処罰制度を求める署名活動を昨年おこない、ブラジル側で約四千人の署名をあつめた。
 同夫妻は今年四月から五月ごろに来伯する意向。その際には、「県人会としてもできるかぎりの協力をしたい」と鈴木会長は語った。
 鈴木会長は「健康に注意したい。県人会の将来のためにも、二、三世を育てたい」と話している。
 ▼相談役=後藤宗治、大城徳次。会長=鈴木静馬。第一副会長=大橋健三、第二(同)=松浦アントニオ。

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