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コラム オーリャ!

2007年2月20日付け

 日本人が拓いた町はどれだけあるのだろう。日本人が農地やインフラの整備に汗を流し、学校、病院の建設に走って町の基礎を築いた、そんなところは―。
 「経済、行政を日系が握っていたころがあった」。バストスの宇佐美宗一さんは懐かしそうに〃昔〃を振り返る。市長、市議も皆日系だった時代。「昔は市よりも文協が強かった」。
 月日は経ち、日系は人口の一五パーセント、行政の中で日系は副市長のみという現在。それでも「経済の八五パーセントはまだ日系が動かしている」とか、「ここではブラジル人は雇われる人なの」なんて言葉が聞かれるのだから、バストスはまだ〃昔〃を残しているほうなのだろう。
 「一世には一世の役割がある」と語る宇佐美さん。街の発展を支えてきたのはその力強さで、見習い、受け継ぐべきはその心意気だろう。(稲)

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