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■記者の眼■―――争点見えない評議員選=ヴィジョンを明らかに

2007年3月21日付け

 「今回の選挙どうなってるの?」。そんな声をよく聞く。
 非常に明快だった前回の直接投票を定款改正により、評議員による代理選挙に変えたことにより、選挙制度そのものを分かりにくくさせているようだ。
 定款によって改正されたのは、選挙法だけではない。今まで総会で行っていた事業報告・決算承認まで評議員会が担うことになる。今回の選挙はその意味でも非常に重要だ。
 そして、前回と大きく違うのは、「論点のなさ」といえる。「ヴィラ・レオポルジーナ案」が最大の争点となった前回に比べ、今回は各派、各人の考え自体も見えてこない。
 一人を選ぶことは文協運営の百分の一を選ぶことでもある。しかし、顔が見えない評議員を会員としても無節操に選ぶことはできない。
 会員にとって文協運営に一票を投じることができるのは、今回の選挙以外になく、そして任期二年間においては、最初で最後となることを立候補者らは肝に命じておくべきだろう。
 〃選挙ゲーム〃に終わらせることなく、将来を見据えたうえでの文協を託すため、各人はともかく、すくなくとも各派が会員に対し、独自のマニフェスト、つまりどのような文協にしたいのか、というヴィジョンを選挙前に明快にすることが重要なのではないだろうか。   (剛)

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