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日系女性がサンパウロ州初の犠牲者に=デング出血熱=東洋人街在住ヤマモトさん=入院から一カ月で死亡

2007年3月22日付け

 デング出血熱、今年のサンパウロ州最初の犠牲者は日系女性―。女子大生、ヤマモト・アンドレアさん(26、サンパウロ市リベルダーデ区在住)が今月一日、デング出血熱を発症して市内の病院で死亡していたことがわかった。三月二十一日昼のグローボテレビニュースが報じた。同ニュースによれば、サンパウロ州内で同感染病による死亡者が確認されたのは、今年はじめて。サンパウロ州衛生局は今年上半期、デング熱予防対策事業として二千万レアルを投じ、蚊の掃討作戦を展開する計画だ。
 グローボによれば、ヤマモトさんは一月二十日から三日間、女友達とサンパウロ州沿岸部の観光地イタニャエン市を旅行した際、罹患したとみられる。
 旅行からリベルダーデ区内の自宅にもどり二日後、熱と体の痛みを訴え、二月一日に市内病院に入院。それから八日後、呼吸困難を訴え、UTI(集中治療室)にはいった。
 続いて、同月十二日に脳内出血などの症状がみられたため、緊急に脳外科の手術を実施。治療の甲斐なく、二週間後に意識不明に陥り、今月一日に亡くなった。ヤマモトさんは生前「私を死なせないで」と、必死に医者団に訴えていたという。
 ヤマモトさんはリベルダーデ区内にある体育大学を卒業した。六年前に母親を亡くしたあとは、二十四、二十二、十八歳の兄弟四人といっしょに同区内で暮らしていた。あまりの激しい病状の進行に、親族らは驚いているという。
 サンパウロ州政府が、デング熱よりも致死性が高いとされるデング出血熱の感染者を正式に確認しているのは四人。死亡したヤマモトさんのほかに、オルトランジア、ミラッソル、カンピーナス市に三人の患者がいるが、いずれも存命。
 ヤマモトさんは死亡前からデング出血熱の疑いがもたれていたが、このほど当局の検査で正式に同病気の感染が確認された。通常のデング熱では死に至ることは珍しいが、そのうち三~五%がデング出血熱となり、脳などに出血して致死する場合がある。
 同局によれば、今年の一月から三月十九日までの統計で、サンパウロ州内で七千八百八人のデング熱一般の感染者を確認している。ビリグイ市で八百四件、アラサツーバ市で七百二十四件、イーリャ・ソウテイラ市で四百八十五件。ヤマモトさんが感染したイタニャエン市では九十二件、サンパウロ市近郊内では十三件となっている。

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