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05年収支また承認見送り=県連総会=会費値上げ案に反発も

2007年3月31日付け

 ブラジル日本都道府県人会連合会(松尾治会長)の二〇〇七年度定期総会が二十九日、サンパウロ市の広島県人会館で開かれた。県人会代表、連合会顧問など約五十人が出席。昨年度の事業・収支報告のほか、県人会長交代にともなう補充人事などを承認した。一方、第八回日本祭りの収支報告問題にからんで未承認のままだった二〇〇五年度収支報告の承認は今回も見送られた。
 昨年十月に創立四十周年を祝った県連。昨年の総会では中沢前会長の退任を受け、初めて複数シャッパによる執行部選挙が行なわれ松尾会長が就任。七月に二週末にわたって実施された第九回日本祭りは約十五万レアルの黒字を計上した。
 一方で選挙の遠因となった二〇〇五年の第八回日本祭りの収支報告問題は、その後、会場業者から追加請求の訴訟が起こされるなど、今も尾を引いている。
 総会では、羽田宗義顧問を議長に選出。福田康雄副会長が昨年度事業を、長友契蔵会計が収支を報告、拍手で承認された。
 昨年度の収支は収入約百九万五千五百十六レアル、支出約九十六万八千四百五十二レアルで、約十二万七千レアルを繰越し。
 うち、第九回日本祭りに関する収支は、収入約九十八万五千八百九十六レ、支出約八十三万五千二百五十五レ(支払い予定分を含む)と、その大半を占めた。
 今年度は約九万三千三百レアルの予算を計上。この予算案で当初から赤字分とし約八千七百レアルが計上されていることに対し、出席者から疑問の声が上がった。
 執行部側ではこれに対し、会費を現行の月九十レアルから百レアルに調整することで大部分解消可能との考えを示したが、これに対しても「(会費値上げではなく)もっと積極策を取るべき」とする意見が上がり、結論にはいたらなかった。
 一方、第八回日本祭りの収支報告問題にからんで昨年の総会で承認が棚上げされた〇五年度の収支報告に対し、当時会長だった中沢宏一宮城会長が、今総会で承認するよう提案。これに対し、当時の監査役だった大西博巳副会長(広島)が返答した。
 会計への疑問点があるとして監査役の承認が見送られてきた第八回日本祭りの収支報告に関しては、昨年四月の執行部交代後、当初の報告以外の未払い金の存在が発覚。そのうち一部業者からは二十一万レアルの追加請求訴訟が起こされている。
 大西副会長は、訴訟に対応している現状を説明した上で、他の未払い金に関しても調査中と報告。現段階で〇五年度会計は承認できないとの立場を示した。
 このほか事業計画に関して、県連が百周年協会に提出した記念事業の進ちょく状況を問う質問が出された。松尾会長がこれに答え、次回代表者会議で詳細を説明する考えを示した。
 総会ではまた、県人会定期総会での会長交代に伴い、役員のうち天達市雄副会長(鹿児島)、書記の菅原パウロ(香川)、安達敬之助(島根)、会計の二宮春男(愛媛)各氏がそれぞれ退任したことから、補充役員の選出を実施。
 副会長に山田康夫(滋賀)、書記に志田茂夫(福井)、古田川英雄(島根)、会計に根岸健三(岡山)の各会長を執行部が推薦、承認された。
 あわせて補充監事として、柿島昭三(新潟)、辻定男(佐賀)、村田洋(神奈川)の三人を推薦、こちらも承認された。正監事は昨年度補充監事の坂和三郎(東京)、高野隼士(山梨)、鈴木康夫(茨城)の三氏が就任した。
 総会後は松尾会長が訪日成果を報告、その後懇親会が催された。

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