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手づくり=日本研究の催し=ブラジリア大学=学生自身ら工夫=節分、ひな祭り〃実演〃

2007年4月5日付け

 第三回ブラジル中西部日本研究フォーラム(ブラジリア大学外国語・翻訳学部日本語学科主催、在ブラジリア大使館・JETプログラム協力)が、三月二十八日に同大学で開催された。日系人口が少なく、〃生〃の日本人や日本文化に触れる機会が少ない同地方での、「教員と学生が一丸となってつくりあげる日本文化探求・体験イベント」は、近隣の日本語学校や学習者らの友人らが詰め掛け、会場が立ち見の観客でいっぱいになるほどの盛況ぶりを見せた。
 ブラジリア大学は、中西部で唯一の日本研究専門コースを持ち、日本語専攻に二百人強、選択科目や公開講座に百人強が所属。約三百五十人の学生、社会人が日本語や日本文学などを学んでいる。
 フォーラムは、元JETプログラム国際交流員の、ボア・ヴィスタ教育文化スポーツ財団セルジオ・オッタヴィオ・ハヤカワ・クーニャさんらによる日本体験にもとづく講演、卒業生、現役学生による研修・留学体験報告から始まった。質疑応答後には、「現代日本社会」クラスを受講している学生による、節分とひな祭りのプレゼンテーション。
 鬼に扮した学生が突然会場になだれ込むと、会場では子供が泣き出す姿も。「鬼は外、福はうち」の掛け声のもと、他の学生が豆を撒いて鬼を追い払うパフォーマンスや「たのしいひな祭り」の合唱が行われ、満席の会場全体が拍手を贈って盛り上がった。
 非日系の学生らが、「節分に大豆を撒く」「赤と青の鬼が棍棒を持っている」ことなどを、インターネットを駆使して調べ、手作りの衣装を用意して臨んだ今回のフォーラム。
 同クラスを担当している根川幸男助教授は「参加者の人数を増え、プレゼンの内容も深くなった」。「全く日本のカルチャル・リソースのない子らが自分たちで工夫した。ヒューマンリソースとしての日本人留学生との相互交流もできたのではないか」とその意義を話した。
 また、同フォーラムでは、二月に交通事故で他界した中山遥教授(元同学科代表)を追悼するとともに、日本大使館広報文化班の小林雅彦一等書記官の離任にあたって、長年の協力への感謝をこめて、花束と記念の盾が贈られた。

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