ホーム | 日系社会ニュース | 上原氏、ほぼ辞意固める=文協会長選挙=大原氏が事態収拾の要か

上原氏、ほぼ辞意固める=文協会長選挙=大原氏が事態収拾の要か

2007年4月10日付け

 次期会長への声が高まっている大原氏の判断が事態収拾の要―――!?
 十八日の理事会シャッパ提出期限を前に、三派が唯一会長候補に推す大原毅・現文協評議員会長。しかし、本人は固辞しており、もしその線が崩れた場合、現体制に対抗シャッパが出る可能性も否定できない状況だ。
 三派のうち、五日夜には小川彰夫氏と「しんせいきのかい」が会合、大原氏を推す可能性も考慮したうえで、両派評議員の票読みを行った。
 「しんせい―」世話人の小山昭朗氏によれば、同派評議員は四十としており、そのうち五評議員はどの派にも属しておらず、反上原派と分析する。
 小川氏が自派としているメンバーがGASと多数重複していることから、「しんせい―」側は小川氏に十一日までの意思確認を要請している。
 大原氏が会長になることを了承すれば、三派を取り込んだシャッパが作られることになる公算が強い。もし大原氏が固辞、「しんせい―」、小川両派で勝算有りと判断すれば、別シャッパも出る可能性は否定できない。実際、他会長候補の検討も並行して行っているようだ。
 小山氏は「三十五人の評議員を送り込んだことで、当初の目的は一応達せられた」とし、対抗シャッパを出すことでコロニアを混乱させたくはない、と話す。
 しかし、支持評議員の数をアピールすることで、新執行部により多くのメンバーを送り込み、発言権を増したい考えだ。
 焦点となる大原氏だが、五日には渡部和夫文協顧問、七日には小川氏が説得しているが、物別れに終わっている。
 文協改革の一環で事務局は評議員会長を理事会に呼ぶことになっており、大原氏は四年の任期中、理事会会議にほぼ出席していることから、「文協の現状を知っているだけに、受けないのでは」という声もある。しかし、現役で仕事をしていることもあり、飾りでは済まない文協会長との二足のわらじは重職であることに変わりはない。
 八日夜に行われたGASの会合には、重田エルゾ、渡部和夫、花城アナクレット、吉岡黎明、桂川富夫、秀島マルセロ各氏のほか、上原会長も出席した。
 大原氏を次期会長に推薦する意思の確認を行い、上原氏は、「四年会長を務めたし、他の人に譲ってもいい」とほぼ辞意を固めたと見られる発言もしている。
 文協の専務理事を務める重田氏は、「GAS独自のシャッパを通すだけの評議員は押さえている」としながらも、「全員を取り込んだシャッパが一番いい。文協のことをよく知っている大原さんならみんな喧嘩せずにまとまるのでは」とGAS側に他派を排除する考えがないことを示した。
 各派それぞれの思惑が交錯するなか、大原氏の判断に注目が集まっている。各派が行う説得活動が功を奏すか、もしくは波乱の幕開けとなるか、まだまだ予断は許されない状況だ。

image_print