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障害者施設の「現場」で学ぶ=希望の家から訪日研修生

2007年4月18日付け

 社会福祉法人希望の家福祉協会(木多喜八郎知事長)から、今回が初めてとなる二人の研修生が、今先週末日本に向かった。心理療法士の内村ベアトリーヌ・みえさん(25、二世)と、竹中サンドラ・ちえみさん(26、三世)だ。二人は希望の家で働く、その道のプロ。一年間、社会福祉法人聖隷福祉事業団の聖隷クリストファー大学や各老人ホームや児童施設を廻って、現場での研修を行い、互いに技術向上に努める。
 同研修制度は、一九七六年に希望の家と聖隷事業団が、姉妹団体提携をして以来、実現したいと、懸案だったという。〇二年のクリストファー大学創学、〇五年の希望の家創立三十五周年に互いに人的交流を深め、昨年から具体的な話がふくらんだ。
 富岡広明希望の家園長は「これは留学ではないんです。大学での実習に参加したり、自分の研究をすることもありますが、施設での研修、日本の現場がどうなっているのかを実際に見てくることが主になっています」と、制度を説明。二人の研修生は、一年間で十カ所近い施設で廻り、専門分野だけでなく、職員指導、障害者との共生、心構えなどについて理解を深める。
 大野孔三会計理事は「今回がうまくいって来年も続けたい」と話し、木多理事長も「これを機会にどんどん交流を増やしていければ」と期待を込める。
 半年以上日本語学校に通い、準備を進めてきた竹中さんは、今回が初めての訪日。不安もあると頷きながら、「学んだことをブラジルに持ち帰りたい」と抱負を語った。

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