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千葉県人会=会館建設資金めどつく=県民、県、県人会が協力して=5千万円を超えた=これから為替差損が課題

2007年5月9日付け

 【既報関連】千葉県民、県内企業、県庁、そして県人会が一体となって協力し、在伯千葉県人会(原島義弘会長)の会館建設資金が集まりつつある。昨年七月に日本側で設立された「ブラジル千葉県人会設立五十周年記念事業協賛会」は、四月二十六日に第二回会議を開き、建設資金として、五千万円を超える資金が集まったことを報告した。原島会長は「今は為替差損が大きい」と苦い表情を見せながらも、「素直に本当にありがたい」。二〇〇八年中の会館完成を目指し、原島会長は、県人会の口座に資金が届き次第、臨時総会を開きたいとしている。
 昨年から千葉県内で集められた会館建設資金は、約五千五百人の個人と約百五十の企業・団体からの寄付金、約三千百万円に、県議会の有志によって集められた約二百三十万円。それに、県助成金の二千万円が加わる。
 県議会有志らによる寄付金は二カ月前に県人会の口座に届いており、助成金については、すでに県議会の承認を得、次の議会を待って手続きが進められる予定だ。
 また、「自助努力」を合言葉に、県人会でも、内部設備にあてるための資金約五百万円を集める募金活動を展開。二世の役員が中心になって働きかけを行い、二人の留学生OBからそれぞれ一千レアルずつの寄付が届くなどして、現在約六万レアル(三百万円)が集められている。
 原島会長は寄付金への感謝を述べながら、「時間がかかりました」と会館建設の申請を始めた六年前を振り返った。母県が財政難のため「新規事業はしない」と打ち出し、会館建設への助成は無理だといわれてきた当時。「なんとかここまで来ました。上昇思考で目的達成のために努めてきました」。会長は「(会館設立に関し他県の)後塵を拝したのを、取り返したい思いでやってきた。千葉としては初めての海外拠点になる」と自信を見せた。
 ただ、原島会長は、昨今のレアル高の影響を受けて日本からの送金は目減りし、「手放しでは喜んでいられない」と繰り返した。
 計画では、鉄筋コンクリート造り、地上三階、地下一階建ての会館の建設費は、数年前の時点で約五千万円と予定していた。会長は為替差損が出ることから「三階建てが二階になるか、地下がなくなるか」と、建設会社との対応に苦慮しているという。
 また、千葉県人会では、五十周年記念式典を八月二十六日に予定しており、式典に合わせ堂本暁子県知事はじめ、約三十人の慶祝団が来伯することが決まっている。記念誌の発刊についても、県人の移民史や住所録、写真などを収めた約三百五十ページ分の編纂はほぼ終了し、記念式典で知事らに手渡される予定だ。

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