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シルバーバレーが人気=運動不足解消に好適=聖南西地区、中高年向き=体動かし痛み忘れる=軽いボール、狭いコート、ネット低く=80歳でもできる!

2007年5月18日付け

 八十歳でもバレーボールができる?! 聖南西地区では、中高年を対象にしたシルバーバレーが人気を呼んでいる。同地区にシルバーバレーが伝わって今年で五年。「皆で汗をかいて楽しめる」「運動不足解消になって、健康にいい」とまたたく間に隣近所に普及し、毎年の公式戦や、年二回ある「アミザーデ大会」には、十チーム以上が参加する。日本からボールを取り寄せ、聖南西だけでなく、モジ、サントアマーロでも競技者が出始めており、オザスコでシルバーバレーをしている清水リジア日伯バレーボール連合副会長は、「連合内でも普及させていければ」と楽しそうに話している。
 シルバーバレーは、福井県から福井村(サンミゲル・アルカンジョ市のコロニア・ピニャール)を通じて伝えられた。福井村四十周年入植祭の年に、日本から七人が、道具を携えて来伯。同地の婦人部に指導を行ったのが始まりだ。
 福井村の山下シゲコさん(64)は「最初は(もらった道具を)棚に仕舞っといたんだけど、始めてみたら面白くて」。山下さんは、翌年からサンミゲル・アルカンジョやイグアッペ、オザスコなどを廻って、シルバーバレーの普及に努めた。「三チーム集まれば大会ができる」。
 聖南西では従来からバレーボールの競技者が多く、五十八歳以上のスーパーベテラーノ枠も用意されていたが、中高年の参加は減少していく傾向にあった。リジアさんは「バレーは難しくても、シルバーバレーならできるから」と、多くの人が始めたという。今では、年一回の公式大会と、年二回の「アミザーデ大会」が定期的に行われている。
 シルバーバレーのルールは、ソフトバレーとほぼ同じ。福井県で高齢者の取り込みを考えて〃シルバーバレー〃と呼んでいることから、聖南西でもそう呼ばれて広がった。ところによって、ルールをアレンジしているという。
 一般的なバレーボールに比べ、大きくて軽いボール(周囲七十八センチメートル)を使い、コートの広さは、ひとまわり小さく、バトミントン・コートと同じ。ネットの高さも二メートルと、四十センチ程度低く設定されている。
 リジアさんは、「中高年にとって一番大事なのは体だから」と前置きし、シルバーバレーが人気の理由に、ボールがやわらかい、室内で行う、コートが小さいのであまり走らない、ルールが易しいなどをあげた。
 「身体を動かすようになって痛みを忘れたって、言う人が多い。じっとしてたら、どんどん動けなくなるから」とリジアさん。
 一年前からシニアバレーが始まったオザスコでは、現在、三チーム二十人以上が週に二回練習をしている。ラジオ体操で身体をほぐした後、体育の教師をしている参加者の指示でケガのないように、活動が進められる。
 「お茶とお菓子を持ち寄って、集まって皆と話すのが楽しみ」とリジアさんは笑った。

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