ホーム | 連載 | 2007年 | 麻生太郎外務大臣に聞く | 麻生太郎外務大臣に聞く=連載(下)=日伯交流年、移民百周年について

麻生太郎外務大臣に聞く=連載(下)=日伯交流年、移民百周年について

2007年8月18日付け

◎編集部=来年の日伯交流年、ブラジル日本移民百周年は、日本にとってどのような意味を持つとお考えですか。また、日伯交流年実行委員会の名誉会長に就任されたご感想と今後の抱負をお聞かせ下さい。

◎大臣=ブラジルの日本人移住者及びその子孫の方々は、その勤勉さからブラジルの発展に貢献するとともに、ブラジル社会において日本に対する評価を高め、両国の「架け橋」としての役割を果たしてこられました。これを踏まえ、日本人のブラジル移住百周年及び日伯交流年は、過去百年間の移住者の労苦をねぎらい、功績をたたえるとともに、未来志向で幅広い両国民の交流を通じて、日伯両国関係を更に発展させる重要な機会であると考えております。
 日伯交流年実行委員会の名誉会長就任については、私は日ブラジル会議員連盟会長を務めており、日伯交流年に積極的に貢献したいと思っておりましたので、大変名誉に思っています。日伯交流年実行委員会は民間企業や地方自治体など幅広い参加を得て活発に活動しており、既に六十を超える交流年事業を認定しています。今後も是非、皆様のお力をお借りして、日伯交流年を盛り上げていき、それを日伯関係の一層の強化につなげていきたいと思います。

デカセギ問題について

◎編集部=在日ブラジル人社会が抱える子弟の教育、労働問題、犯罪などの問題についてのお考えをお聞かせ下さい。

◎大臣=三十万人に上る在日ブラジル人の方々は、勤労を通じて、日本経済の活性化に貢献しています。
 他方、在日ブラジル人の方々は、年金等の社会保障や教育制度などで困難な問題に直面しておられます。これらの問題については、地方自治体と連携しつつ、両国が協力して取り組むことが重要であり、引き続き、積極的に取り組んでいく考えです。
 教育について日本政府は、在日ブラジル人子弟の日本の公立学校への受け入れ、在日ブラジル人学校卒業生への日本の大学入学資格認定などの対策をとってきており、ブラジル側による在日ブラジル人学校への支援が望まれます。
 また、在日ブラジル人による犯罪について、日本政府は「不処罰は許さない」との立場から、ブラジル政府と協力して、国外逃亡犯罪者に対する国外犯処罰を進めてきており、今後もこのような取り組みを続けていく考えです。

日本にとっての日系社会

◎編集部=現在百四十万人とも言われるブラジルの日系社会は日本にとってどのような存在とお考えですか。また、ブラジル日系社会に対するメッセージがあればお願いします。

◎大臣=日系人が移住当初より一貫して示してきた勤勉で誠実な姿勢や、協調の精神は、ブラジル人が日本人に対して抱く伝統的な信頼感を醸成する基礎となったと考えています。
 日本人のブラジル移住は、来年で百周年を迎えます。移住者の方々は、幾多の困難を乗り越えて、今日百四十万人を擁するとも言われる海外最大の日系社会を築かれ、ブラジル社会から高い評価を受けておられます。また、日系人の方々は、日本からの進出企業を支援され、今日では、多くの方々が日本で働き、日本の発展にも貢献されています。
 このように、日系社会は日伯両国をつなぐ太い絆となっています。日伯両国政府は、来年の日本人のブラジル移住百周年を日伯交流年と位置づけ、両国の歴史的絆を確認し、世界にも貢献し得るパートナーシップを構築する一つのきっかけにしたいと考えています。そのためには日系社会の支援と協力が是非とも必要です。ともに力を合わせて、日伯交流年・ブラジル日本移住百周年を成功させ、日伯関係のさらなる緊密化につなげましょう。

麻生太郎外務大臣に聞く=連載(上)=日伯関係、百周年、デカセギ=本紙が単独インタビュー

image_print

こちらの記事もどうぞ