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コラム 樹海

2007年8月24日付け

 保健省の最近の発表によれば、ブラジル人男性の二七・七%(四人に一人強)が酒に溺れている。現代語でいうアルコール依存症か、それに近い人の比率をいったのだと思われる。一方で、女性を含めての数字だろうが、六六%がアルコール飲料を口にしない、と回答している▼アルコール依存症患者(あえて患者といおう)は、ピンガやウイスキーをダブル六杯かビール大瓶六本、日本酒なら五合半(約一リットル)以上を毎日習慣的に飲む人をいう。自己制御が効かなくなり、飲めばどうなるかを知っているにもかかわらず飲む。他罰的、攻撃的、自己中心的になり、家族に迷惑をかけ、事件を引き起こして人間としての信用を失う。肝臓がやられ、肺に水がたまったりして、死に至る▼当局は、こうしたリスク(危険)を防止するため、さまざまキャンペーンをしてくれる。酒製造会社は、テレビ宣伝やスポーツ大会のスポンサーになるのを自粛する。ただ、こうしたからといって、依存症が顕著に減るとは思えない。最も大切なのは、酒愛好者の節度、意思であるのはいうまでもない▼NHKの紅白歌合戦に四回も出場したことがある演歌歌手、牧村三枝子さん(54)が、五年前、依存症になり、医師に余命五年と宣告されたあと、三年前〃生還〃した。友人の励ましと自身の強固な意思が押した。「大変な病気だが、諦めなければ元気になれる」と同じ病気の人に伝えている▼「ブラジル人四人に一人」にならないのが一番だが。(神)

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