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デカセギ=子弟問題=教育相が対策を要請=来伯の桝屋衆議らに=日伯交流年、議員レベルで=藤村衆議と飯星下議が窓口

2007年8月28日付け

 南米各国における教育や文化芸術に関する調査を目的とした、衆議院文部科学委員会調査議員団が、二十三日から二十五日にかけて来伯。フェルナンド・ハダジ教育大臣と会談し、開拓先没者慰霊碑、日本館の訪問、県人会関係者との交流を行った。桝屋敬悟議員(団長、委員会委員長、公明党、山口県)、藤村修議員(民主、委員会野党筆頭理事、大阪府)は記者会見で、在日デカセギ子弟の教育問題について、解決に向けた対策を講じるようハダジ大臣から強い要請があったことを明らかにした。また、伯日議連の議員とも会談し、「議員外交の窓口を決め、関係保持に向けた再確認を行った」と報告した。
 調査議員団は、十二日間で、エクアドル(キト、ガラパゴス)、ペルー(リマ、クスコ)とブラジルを視察。枡屋、藤村両議員のほか、田野瀬良太郎議員(自民、奈良県、エクアドル、ペルーのみ訪問)、松浪健四郎議員(自民、大阪府、エクアドル、ペルーのみ訪問)、西村明宏議員(自民、宮城県)が参加した。
 「在日デカセギについては、ハダジ大臣からかなりつっこんだ厳しい言及がありました」と枡屋議員。大臣は、不登校、未就学子弟の実態が相当あるにもかかわらず、その状況が明らかにされていないこと、また、子弟が法を犯すまでに至っていることを指摘し、「なんとかしてもらいたい」と要請。具体的な対策として、地方行政を含めた子弟教育制度づくり、ブラジル人学校の認可、JETプログラムの強化などをあげた。
 これに対し、調査議員団は「これまでの経緯を踏まえて努力していきたい」と答えた。
 また、伯日議員連盟との会談には、高山ヒデカズ会長、飯星ワルテル副会長、ウィリアン・ウー副会長ら七人が出席。日伯交流年の皮切りとして、来年の一月中旬に日本側の議連よりミッションを派遣し、その後、河野洋平衆議院議長の招待でブラジル連邦下院議員議長はじめブラジル側の議連議員が訪日することが話し合われた。日本側の政治状況がいいことを条件に、実施を考慮していくという。
 藤村議員は「議員レベルでの交流年をスタートさせた」と成果を語り、今後、飯星議員と同議員が互いの窓口となることを決めたと報告した。
 同調査団は、ペルーで、国会の第一副議長、ペ日友好議員らに、地震の被害者に対する河野議長のお見舞いのメッセージを伝えている。
 枡屋議員は会見中、「観光と勘違いされそうですが、そうではありません」と何度か繰り返し、「短期間での視察だったために、結果は調査不十分。また来たいですな」と話した。

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