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「2言語教育の認識深めて」=ISEC=デカセギ子弟教育問題を討論=11月に日本のシンポで提言

ニッケイ新聞 2007年10月9日付け

 デカセギ問題を扱う文化教育連帯協会(ISEC=吉岡黎明会長)が主催する、在日ブラジル人子弟の教育問題に関する討論会が九月二十九日に文協ビルで行われ、日本語教育に関わる三人が講演をし、約三十人が聞き入った。
 サンパウロ州立大学(UNESP)アシス校で日本語講師をする非日系のルイス・ガルデナルさんが最初に講演。同大学で二年間日本語を学習し、〇二年から一年間、日本語習得のために天理大学に留学して磨いた。帰伯後にはアチバイア日本語学校で日本語を教えていた。一昨年からはサンベルナルド・ド・カンポ市のコレジオ・アルモニアでも日本語を教えており、今年の八月から現職。
 ある日系校では、日本生まれのデカセキ帰伯子弟を預かった。「二週間で日本に連れて帰るから」と母親に連れられてきたその生徒は、すぐ日本に帰れると思って真剣にブラジル教程に取り組まないまま四年が過ぎてしまった、という例を報告した。
 「日本語が母語でブラジルに戻ったら、こちらでも日本語で話せる相手がいることが重要」とし、「その逆も同じで、日本にいるブラジル人子弟もポ語で相談できる相手がいることが理想だ」と強調した。
 二人目は、パラナ州アサイ市で日本語教師をする舘脇未季さん(実学園、三世)。日本語を母語とするデカセギ帰伯子弟も預かってポ語も教えており、日本語教室というよりは、バイリンガル(二言語)授業ともいえる興味深い例だ。
 通常の日本語を習う生徒と一緒に授業をして、生徒同士がそれぞれ得意な方の言語、ポ語か日本語を教えあうような関係を作り上げている。授業の中で、常にポ語と日本語の単語を一緒に教えるなど、独特のメソッドを開発している。
 さらに「生徒からどんな質問でも受け付ける」という姿勢を貫く。生徒が強い興味を持つ日本のアニメ、ゲーム、最新歌謡曲にでてくる言葉の意味なども解説する。「教科書には出てこないパラブロン(卑語)もあるが、それゆえに生徒は知りたがる」と生徒の関心のある点を伸ばす方針だ。
 「ただ説明を聞くだけだとすぐに忘れてしまうので、授業の中でテアトリーニャ(芝居)を取り入れて肌で感じるようにしている」などの工夫も。さらに、これから日本に行く生徒には、ブラジル人学校に入るのか、公立校に入るのかで教える内容を変えるなど、きめの細かい対応をしている。現在の生徒は八十二人。
 三人目はサンパウロ総合大学(USP)モラレス松原礼子教授で、「日本の教師のみなさんが大変な努力をしている点は認める」と前置きしつつ、公立校の現場ではバイリンガル教育や、外国語としての日本語教育に関する認識がまだまだ薄い点を指摘した。
 日本にも、外国人向けの日本語教育を専門とする教師はかなりいるが、公立校で教えるには、教員資格が必要なので通常は教壇に立てない。多くの公立校の外国人取り出し学級では、国語教師が代行している現状を挙げ、有用な人材がいながらも現場では活かされていないと指摘した。
 最後に吉岡会長は、「たくさんの子供の未来を奪うような今のあり方を放っておくことはできない。日伯両側が手を組んで、早急な対策を立てることが必要だ」と結んだ。
 この内容は十一月に奈良県の天理大学で行われる同教育問題シンポジウムで、吉岡会長によって発表される予定。

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