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玉城・小波流=「島」を感じた流舞の会=新鮮な試み、髪結い実演

ニッケイ新聞 2007年11月28日付け

 「あなたの島はどこですか?」――。玉城流扇寿会斉藤悟琉舞道場・小波流きからじ結い研究所(斉藤悟主宰)のおさらい会「島想てぃ遊ば」が、二十五日午後四時から、沖縄県人会サロンで催された。六百人以上の来場者で溢れ返り、立ち見が出るほどの盛況だった。最終演目の最後、斉藤主宰が感極まり涙を流し、会場全体が「島」を感じた一日となった。
 一部と二部に分かれて行われたおさらい会の第一部は、「琉球の風」というタイトルが付けられ、伝統舞踊と沖縄の伝統的な髪結の実演が行われた。第二部は「島の生活」で、創作舞踊劇「ニライカナイ、大漁と豊作」「華の島」など。
 「幕開け・基本・古典」などの意味を持つ古典民謡「かぎやで風節」を最初に踊り、式典を省いた代わりに、会場に訪れた人たちに一礼をしてから開幕した。
 六十代の一世は「普通は式典をやるが、あれで全てを表していたように思う」と感慨深げに話していた。
 続いて「琉球きからじ結い」と呼ばれる沖縄独特の髪型を再現した。この髪型は沖縄の中でも地方によって髪の結い方が違っており、その結い方一つで性別や身分の高さなどがわかるという。
 十五分の休憩の後、第二部が行われ、最初の演目「ニライカナイ―」では女性たちが海に向って大漁と豊作を願い、男性たちは海で魚を釣り、畑仕事をする、最後は皆で歌い踊るという島の生活を表現した。
 最後は今回のテーマである「島想てぃ遊ば」の基となった曲を創作した舞い。会場から盛んな拍手を受けた。
 フィナーレでは、特別出演した玉城流てだの会の具志堅洋子師範、仲本末子教師、中宗根米子教師に、斉藤主宰から花束が贈呈された。
 来場者からは「良かった」「満足した」などの意見が多数聞かれたほか、「プログラムも練られてあり、非常に進行が早かった」「舞踊が盛んだった頃を思い出した」など高い評価があった。

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