ホーム | 日系社会ニュース | 〃長寿〃マウアのペデレイラ文協と日本語学校=農村の都市化と共に=55年存続発展=斎藤早百合教師を表彰=記念演芸会楽しむ=100百周年事業も準備

〃長寿〃マウアのペデレイラ文協と日本語学校=農村の都市化と共に=55年存続発展=斎藤早百合教師を表彰=記念演芸会楽しむ=100百周年事業も準備

ニッケイ新聞 2007年11月30日付け

 聖郊マウア市のペデレイラ日伯文化協会(永山喜代司会長)と同日本語学校が今年、創立五十五周年を迎えた。記念の演芸会が十一日午後、同市ジャルジン・マリンガ区の会館で開かれ、のべ三百人近い来場者で終日にぎわった。この日は日語校の斉藤早百合教師の在職二十五周年も合わせて祝い、生徒、協会から記念品が贈られた。
 ペデレイラ文協は一九五二年十一月九日に、「マウア・ペデレイラ日語学校」の父兄会として三十二人の会員で発足した。初代会長は桑原千秋氏。
 当時は都市化も進んでおらず、会員の多くは野菜作りなどに携わっていたという。市の南部に位置する現会館の辺りが石山(pedreira)だったことから「ペデレイラ」の名が付けられた。
 現在の会員は七十八家族、約三百人。青年会には約四十人が参加している。
 今年は五十五周年のほか、男女青年四十五周年、ゲートボール部十五周年の節目の年。永山会長は、日語校生徒が卒業後も青年会活動に参加していることに触れ、斉藤教師の尽力に謝意を表した。さらに「創立者、先輩が築いたレールを脱線しないよう、これからも慎重に運営していきたい」と決意を新たにした。
 通算九代目、八〇年から同校で教えてきた斉藤教師は「教え子の子供の世代を教えるようになった」と教師生活を振り返り、「子供たちが『先生』と慕ってくれる間は頑張りたい。日本語だけでなく、心を教えたい」と挨拶。生徒、文協から記念品が贈られた。
 演芸会では家長、婦人、男女青年、日語校生徒らによる踊りや寸劇、詩舞、手品、カラオケなど四十の演目が披露され、約三時間にわたって会場を盛上げた。
 最後は「相馬盆歌」にあわせて盆踊り。来場者も参加し、会場内に踊りの輪ができた。
 同会では当日に向け、二カ月前から練習してきたという。同地生まれの永山会長は、「大勢来てくれて嬉しい。会員が一致団結した結果だと思います」と嬉しそうな表情を浮かべる。
 発足前の五〇年ごろから同市に住む奥間正治さん(83、二世)は「(文協、日語校が)五十五年間続くのはめったにないこと」と満足げに話した。
 当日は会館壁に発足当初からの写真が張られ、初期の会館風景や、今年で四十五回を数える運動会など、会の歩みをたどる写真に来場者たちは見入っていた。
 マウア市では現在、ペデレイラ、マウア中央、マウア沖縄県人会の三団体による委員会が組織され、市と共同で百周年事業を検討中。現時点では地域の日系人口調査、記念の移民資料展などが計画されているという。今月末には市の委員会が立ち上がる見通しだ。
 コーディネイターをつとめる永山会長は、「来年は百周年に力を入れていきたい」と意気込みを語った。

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