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森審議官がリ広場で感激=デジタル、切手、ラジオ体操

ニッケイ新聞 2007年12月6日付け

 デジタル放送開始式典に出席するために来伯した総務省総務審議官、森清さんはサンパウロ市のリベルダーデ広場を視察し、「大変感激した」との感想をのべた。
 同広場にはラジオ体操の塔が建っており、総務省が管轄する事業だけに、感激が一塩だったようだ。「先人の努力が確認できて良かった」と繰り返す。
 ラジオ体操は、昭和三年(一九二八年)に昭和天皇の即位の大礼を記念して当時の逓信省簡易保険局によって制定され、以来、総務省郵政事業庁(途中、郵政省)が管轄している。
 この塔は八八年に当時の中山正暉郵政大臣の揮毫により、移民八十周年、ラジオ体操開始六十周年、ブラジルラジオ体操開始十周年を記念して立てられた。
 来年六月十八日には、総務省郵政行政局が所掌する日本郵政グループの郵便事業株式会社から、日伯交流年記念切手も発売される。移民百周年とは縁の深い省といえそうだ。
 日本式の地上デジタルTV方式が、日本国外で初めて放送開始される二日の式典に臨み、「今日のことは、いずれ移民史料館に展示されるような記念すべき出来事じゃないでしょうか」と薦める。
 両国の持つ先端技術を合体させた「日伯方式」という、現時点で世界最高のテクノロジーを作り上げたという意味で、百周年に相応しい技術交流だ。「両国の連携はより重要性を増している」。
 移民がもちこんだラジオ体操と今回のデジタルTVとでは、ブラジル社会一般にもたらす影響はまったく別レベル。だが、それらが相まってこそ、幅広いレベルでの両国の交流を深めていくに違いない。

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