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熊本で「みどりの会」スタート=ブラジルの大地に緑を=「共に運動進めたい」=ブラジルからの訪問団迎え運動盛上がる

ニッケイ新聞 2007年12月21日付け

 【東京支社、藤崎康夫支社長】ブラジル日本移民百周年を機に、日伯両国の絆を一層強めようと、熊本で「みどりの会」(清田和之設立委員会代表)がスタートする。ブラジルでの森づくりを通し、運動をすすめる。まず緑化運動先進県・熊本からスタートし、全国に広げていこうというものである。「みどりの会」は、ブラジル移民百周年をスタートラインに、二百年周年を目指す会である。
 本年十月、熊本城四百年祭を機に、ブラジルから母県訪問団が来熊。県や移民の父上塚周平の故郷城南町の「イッペーの会」がこれを迎え、銅像除幕式、移民資料収集活動、ブラジル講演などが行われた。こうした活動により「もっとブラジルをよく知ろう、もっと日伯の絆を強めよう」という機運が関係者の間で盛り上がった。サンパウロ州内での植林計画があることを知り、共に森づくりに参加しようと「みどりの会」の結成へとすすんだ。
 緑豊かな熊本県である。同じように緑が豊かだった沖縄県本島は、太平洋戦争で戦場となり、緑が消えた。戦争で大きな打撃を受けた沖縄の造林事業は、戦後十六年たった昭和三十六年になっても、本格的な立ち直りを見せていなかった。沖縄の緑化運動に対し九州各県から手が差し伸べられていたが、復活は容易ではなかった。
 当時、日本新聞協会沖縄視察団に加わり、同県を訪れた小崎熊日社長(当時)は、〝緑を送る募金運動〟を提唱。新聞協会の全面的な協力で、沖縄県緑化運動は、全国的な活動へと広がった。
 みどりの会設立委員会の清田代表は「この会から全国各地の人々に声をかけ、全国的な運動に発展させたい」と、抱負を語る。
 同時にブラジル側でも、「ブラジルみどりの会」の発足が予定されている。両国の「みどりの会」が絆を結び、日伯親善を強めていこう、というものである。
 日本の「みどりの会」は、歌手谷本知美さんを「みどりの大使」に選んだ。谷本さんはNHKの「歌謡コンサート」、「BS日本のうた」、「コメディーお江戸でござる」をはじめ数多くの歌番組に出演。また舞台でも活躍中。
 移民百周年の明年十月、サンパウロでの公演を予定し、それに先立ち、明年一月二十五日、熊本市交流会館で移民百周年チャリティーコンサートを開催する。共催は特定非営利活動法人「日本フェアトレード」、協賛「アルファインテル南米交流」。後援にはブラジル熊本文化交流会、熊本日伯協会、熊本市国際交流振興事業団、熊本日日新聞社、ニッケイ新聞社(在ブラジル)などが予定されている。翌二十六日には、「みどりの会」設立総会が開かれ役員を決定し、今後の具体的な計画などが検討される。
 ※みどりの会事務所
 熊本事務所、〒862‐0950 熊本市水前寺1丁目10‐12アサヒビル201。
 東京事務所、〒161‐0032 東京都新宿区中落合3‐28‐18 株式会社フキヤ内。

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