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上塚周平〃起点〃に=第1回緑のコンサート熊本で=「緑の大使」谷本知美さん熱唱=ブラジルでの植樹の重要性訴える

ニッケイ新聞 2008年2月1日付け

 【熊本発=藤崎康夫東京支社長】熊本市花畑町の熊本市国際交流会館のホールで、一月二十五日、第一回「日本緑のコンサート」が開催された。十月来伯する緑の大使、演歌歌手の谷本知美さんが「ブラジルの熱帯雨林を消滅させてはならない」と舞台で語り、植樹への熱い思いを聴観衆に打ち明けた。
 地球の緑の消失問題は深刻さを増すばかりである。「ブラジル移民百年を一過性のものでなく、永遠の契りとする行事を」と、願う有志たちによって、ブラジル日系の人びとと共に「二十一世紀の森づくり」に参加しよう、という声が起こり、プランが立てられた。
 ブラジル移民の父・上塚周平の生まれ故郷である熊本の地で、移民百周年を機に、草の根支援事業として「日本みどりの会」を発足させ、植樹に積極的に参加することになった。
 本格派演歌歌手として知られる大阪出身の谷本知美さんも、発起人の一人となり、「緑の大使」として活動に参加。活動の第一歩である「緑のコンサート」の開場午後六時半が近づくと、趣旨に賛同する会場は熱気をおびた。
 第一部では、ブラジル、日系社会と日系の人々を紹介するビデオが上映された。また、ブラジルと日本についての説明があった。
 第二部は、緑の大使谷本知美オンステージ。ステージに立った谷本さんは、「地球上の熱帯雨林の減少は、毎年十七万平方キロメートルだということ聞き驚きました。これは二年間で、日本の面積ぐらいの熱帯森林が消えている、ということです。大変驚くと同時に、私にも何か出来ることがないか、と思いました。そのとき、ブラジルでの植樹のこと、ブラジルの日系人の方々のことを知り、私に出来ることはないかと思っていました。緑の大使のお話をお聞きし、お引き受けしました」と、ステージから、その思いを熱く語り、緑の大使として抱負を述べた。観客席からは大きな拍手が起きた。
 谷本さんは、持ち歌の「なみだ駅」「汐風の駅」をはじめ、演歌の名曲をつぎつぎと披露。「日本みどりの会」の活動の第一歩を踏み出した。
 当日の模様は、翌日のNHK総合と熊本県民テレビのニュースで報じられた。また、この活動は秋田県でも展開される予定である。
 谷本さんは、十月ブラジル公演を楽しみにしている。

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