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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2008年3月21日付け

老人クラブ連合会は百周年祭典への参加を辞退した。高齢に加え、〃期待との大きな相違〃がその理由だという。
 機関紙「老壮の友」では、会場であるサンボードロモの形状や入場規定の曖昧さを指摘、「両陛下の一部始終を見ることができた前回とは違い―」と七十年祭を振り返り、慨嘆している。
 十九日付け本紙七面でも報じたが、文協への皇太子殿下ご訪問は、ほぼ絶望的な見方が強い。
 皇室ご来伯を機に、施設を強化、歓迎委員会を組織してきた文協だが、その動きは今回ない。
 皇室への畏敬の念が強い老移民らのため息が聞こえるなか、老ク連は百周年を目前に、地蔵建立と文芸誌作成を独自の記念事業に決めた。子に頼れない諦めの決断だ。
 「一世の顕彰」を祭典主旨の一つとする協会は、この代表的一世団体の嘆きを重く受け止めるべきではないか。(剛)

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