コラム　オーリャ！

ニッケイ新聞　２００８年７月１７日付け

　元ヤクザ神父のミサと聞いて身を乗り出した。　日本で話題になったことは知っていたし、興味半分といっては何だが、早速教会に向かった。
　普段ならヤクザが出てくれば、怯むところだが、今回だけはその登場を、聖書を読み、賛美歌を歌いながら待つという奇異な体験をした。
　その地域は沖縄系が多いせいか、何と三線を伴奏に琉球民謡のメロディーで賛美歌を歌うことにビックリ。
　安里屋ユンタのサビ、「マタハーリヌチンダラカヌシャマヨー」を「またハレルヤ、アーメン神様ヨー」との替え歌には、目から鱗が落ちた。
　結局、ヤクザ神父は説教どころか、本人もいなかった。その前科からか、アメリカに入国できなかったという。
　ヤクザ、教会、琉球民謡、強制送還―。その帰り道、混乱した頭の中に「アーメン神様ヨー」の節が響き続けた。（剛）