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「鳥取県中南米移住史」=構想から11年で刊行

ニッケイ新聞 2008年8月8日付け

 「鳥取県中南米移住史」(同移住史編集委員会=安藤文雄委員長=編集)が今年三月、鳥取県から刊行された。構想から刊行まで十一年。入念な現地調査をもとに、世界各地に飛び立った一般移住者の歩みを詳細に綴った全七百ページの労作だ。ブラジル鳥取県人会(加藤恵久会長)で現在、一冊五十レアルで予約を受付けている。
 同著では最初に、明治以降の海外移住政策や移住の概略を紹介するとともに、ブラジルやパラグアイ、メキシコ、アルゼンチン、ペルー、アメリカ(ハワイ)、カナダ、東南アジア、オセアニア、満蒙開拓移住などについて報告。
 第三部「鳥取県の中南米移住」では、ブラジル国内の地域別、サンパウロ州内の鉄道沿線別に、同県人の入植の歴史を記録した。県主体で昭和初期に開設したサンパウロ州ミランドポリスの「鳥取村」(第二アリアンサ移住地)の歴史も詳しく述べている。
 巻頭には、ブラジルほか、パラグアイやアルゼンチン、アメリカに移住した県人のグラビア写真を十六ページにわたり掲載。随所に貴重な写真や資料も多数収録した。「中南米移住者名簿」「県人会資料」「移住関連年表」などの巻末資料も充実している。
 鳥取県からは、戦前・戦後を通じて二千数百人が南米各国に移住している。
 同書の申し込みは、同県人会(電話・11・2276・6032)まで。

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