ホーム | 日系社会ニュース | フルショウ・テルオ氏

フルショウ・テルオ氏

ニッケイ新聞 2008年8月8日付け

 ブラジル空手連盟創立者の一人で、ブラジルの松涛館流空手の公式指導者として活躍したフルショウ・テルオさん(二世)が三日、リオ市内の病院で、多臓器不全のため亡くなった。享年六十六歳。
 五日付けフォーリャ紙によれば、指導者としての経歴は、一年以上にわたる友人の強い要請を受けて、リオ市の中央航空病院内で、興味のあるブラジル人らに指導を始めたのが始まり。これがきっかけとなり、空手をブラジル空軍予備隊に広めた。
 サンパウロ州マリリアに入植した父に、日本的な〃サムライの教育〃を受けて育った。自分のことよりも周りの人のために尽くす人柄だった。
 また、控えめな性格で、ある日、空手を指導するため、パラー州のある町の大邸宅に一人で宿泊した。しかし翌日、付き添いの友人に対して、「私もみんなと一緒に適当な安ホテルに泊まればよかった」と洩らし、強く後悔していたという。
 心臓病を患い入院。三十八日間の昏睡状態の末、亡くなった。子息なし。

image_print