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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年8月23日付け

 若の鵬が大麻を吸い逮捕されたのニュースを知ったときには「まさかーと疑いまだ半信半疑であった。そこへー北の湖理事長が緊急記者会見を開き「第一報を受けたときには信じられなくてびっくりした」と謝罪文を読み絶句したの記事を見てから若の鵬への怒りが込み上げてくる▼スポーツ選手が興奮剤や筋肉増強剤などを使用するドーピングはよくあるし、オリンピックの優勝者も、この不正が判明し金メダルを取り上げられるケースもある。だが国技である相撲の世界にまでこの魔手が侵入していたとはー。若の鵬の自宅には大麻を吸うための呼吸器があり押収されたし、所属する間垣部屋(元横綱2代目若乃花)でも吸っていたそうだから、もう大麻の常習者と見ていい▼ロシア出身の若の鵬はレスリングの王者で身長は195センチ、体重162キロの恵まれた身体を使い土俵の動きもいい。ただーいささか短気らしく、土俵で敗れたあとにその憤懣をぶっつけるように風呂場の木棚を壊し相撲協会から厳重警告を受けるなどの不始末もある▼大相撲の歴史で力士の麻薬・覚せい剤の使用は初めてだし、どんな処分になるのか注目されていたが、理事会は角界の賞罰規定で最も重い「解雇」とし、間垣親方には「理事辞任」とした。元々―相撲は神に捧げるもで「きれいな土俵」は昔からの決まりごとだし、若の鵬の追放は当然である▼時津風部屋の不祥事もだが、若の鵬も人間としての基礎がなく、力士としての見識にも欠ける。こんな厳しい現実に目を向け相撲協会が改善を推進すべきは言うまでもない。 (遯)

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