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お地蔵さまができました=老ク連の百周年記念事業=1万5千レ、半年かけ完成=開眼供養に百人出席

ニッケイ新聞 2008年8月28日付け

 お地蔵さま開眼――。ブラジル日系老人クラブ連合会(重岡康人会長)が独自の百周年記念事業として計画し、設置を検討していたお地蔵さまが、約半年の期間を経て、このたびようやく完成した。十五日午前十一時半から老ク連会館の前庭で、佐々木陽明浄土宗南米開教総監により地蔵尊開眼供養が行われ、約百人が出席した。製作にあたった児島晃さん(73)は「少しでも多くの人に見てもらえれば」と期待を込めて話した。
 老ク連では、元々百周年協会に協力して記念事業を行う計画をしていたが、昨年末頃から独自にお地蔵さまの設置を計画した。約二万二千レアルを集め、建設費用にはその内の約一万五千レアルを使用した。
 開眼供養当日、午前十一時半になると、会館前には約百人が駆けつけ、人で溢れかえっていた。
 佐々木総監の法話に続いて重岡会長は、協力者に感謝の辞を述べ、「これからの百年が益々発展していきますように」とあいさつ。地蔵建立実行委員長の五十嵐司副会長は、完成に至る経緯を説明し「予想以上の協力をみなさまからいただいて成功を収めることができた。代表者に感謝を申し上げます」と嬉しそうに話した。
 続いて関係者一同でテープカットが行われ、一人一人が焼香し、お地蔵さまに神戸の水をかけていった。
 最後に佐々木総監は「お地蔵さまはそれぞれの悲しみ、苦しみ、喜びを表している。今日は非常に喜んでおられます」と締め括った。
 地蔵を製作した児島晃さん(73)は、今まで五体ほど地蔵を製作した経験を持つ。今回は半年以上の歳月を費やしたという。「みんなの仏だから、自我を出さずに彫るのが難しかった」と製作過程の苦労話を語った。また、「老ク連を訪れる多くの人に、一人でも見てもらえれば」と希望を述べた。
 その後は会館内で昼食会が開かれ、関係者一同で楽しい一時を過ごした。

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