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1千人が故郷を懐かしみ=日本人の心の歌=ご当地名曲特別ショー=「涙が止まらなかった」

ニッケイ新聞 2009年8月19日付け

 ニッケイ新聞社と日本人の心の歌チャリティーショー実行委員会(高木ラウル実行委員長)は、文協、援協、老ク連、沖縄県人会の後援を受けて十六日午前十時から文協大講堂で「日本人の心の歌 ご当地名曲特別ショー」を開催した。約千百人の来場者で、会場は埋め尽くされた。各地方のご当地ソングに熱心に聞き入った。

 副実行委員長の道康二さんと井川ルシアさんの司会で進行。ザ・フレンズ楽団(蛯原忠男団長)の演奏に合わせ、北から南へと下がりながら全国四十七都道府県とサンパウロ州のご当地ソング五十五曲が熱唱された。
 曲と曲との間には、スクリーンにスライドを映しながら、司会者のナレーションで曲の説明に加え、各地の名所や歴史が紹介された。
 埼玉県の「とうりゃんせ」は、四歳の吉田アレクシアちゃんが披露。大きな声援を受けながら「ばあちゃんに習った」と言って、上手に歌い上げた。
 原エライネさんが披露した東京都の「やくざ若衆まつり唄」では法被を来たダンサーが登場。威勢の良い曲に会場も手拍子で参加した。
 昼の部では花柳流なでしこ会、輝千代会日本舞踊教室、花柳流金龍会によって日本舞踊が披露された。
 花柳流なでしこ会の子供たち六人による気楽太鼓の演奏は、その迫力で会場を圧倒。花柳流金龍会は、映える銀の着物で登場し「北の蛍」を舞った。
 真っ白のウェディング姿で香川県の「瀬戸の花嫁」を熱唱するという凝った演出をみせたのは西谷エヂナさん、観客の目を引いた。リクエストの多かった「長崎の鐘」は北川和義さんが歌い上げ、大きな拍手をもらった。
 鹿児島県の「島のブルース」は藤野えみさんがしなやかに唄い盛況。沖縄県の「涙そうそう」は歌謡大会などで入賞を果たしている片岡マリアナさんが、「島唄」は知花レナットさんが披露、会場中が盛り上がった。
 最期は、第二の故郷としてサンパウロ州のご当地ソング・サンバ「TREM DAS ONZE」が阿部洋子さんによって華やかに歌われた。
 NHKサンパウロ支局長の濱西栄二さんはあいさつを行い、「日本の歌を受け継いでくれていて嬉しい」と述べた。
 くじ引き大会でテレビ、DVDデッキ、蘭の花がプレゼントされた。
 フィナーレには、出演者全員が舞台に上がり「川の流れのように」を合唱し、五時半に終了した。
 竹中芳江さん(熊本)は、「ブラジルでこんなに良い日本のショーをみれるとは思わなかった。孫にもみせたい」と満足しているようだった。
 檜垣のぶえさんは、「上手に歌われていた。『東京だよおっ母さん』と『南国土佐を後にして』が特に気にいった」と話していた。
 今年初めて訪れた杉本千尋さん(佐賀、75)は、「始めから終わりまで涙が止まらなかった。日本人の心が受け継がれているのが分かった」と感激していた。
 副実行委員長で司会を務めた道康二さんは、「地域によってはご当地ソングが少なく選曲に迷ったが、おもしろいショーになった」と感想を述べ、会場の盛況ぶりに「もう一年ご当地ソングをテーマに行っても良いかも」とコメント。
 司会を務めた井川ルシアさんは、「スムーズに進行でき、大成功だった。皆に喜んでもらえたようで嬉しい」と話していた。
 ショーの中で、希望の家に売上から寄付が行われた。
 会場ではインフルエンザの予防のため、来場者にマスクが配布された。
     ◎
 ショーで行われたくじ引き大会の当選番号は以下の通り。テレビ=0720、DVDデッキ=0239、0004

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