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日伯文化交流団=ブラジル教育シンポジウム=サンパウロ市=両国の教育事情を紹介

ニッケイ新聞 2008年8月28日付け

 今月十八日に来伯した兵庫県教職員日伯教育文化交流団(山名幸一団長)は、二十日午前八時半から、サンパウロ市のインターコンチネンタルホテルで「第二十回ブラジル教育シンポジウム」を開催した。
 同シンポは「ブラジル―日本・教育の100年」をテーマに行われ、丸橋次郎在聖首席領事、松尾治百周年協会執行委員長たちなど来賓をはじめ、約三百人が訪れた。
 午前八時半から行われた開会式では、UEBRAJA(日伯教職員組合)のロレターナ・パオリエリ・パンセラ会長は「小さなメンバーから始まったこのシンポジウムは大きな一歩を記すことになった。同シンポジウムに貢献してくれる人に感謝を申し上げます」と嬉しそうに話した。
 山名団長は関係者に感謝の意を表し、「謙虚な姿勢で学んで良い交流をしたい」と意気込みを語った。続いて水岡俊一参議院議員が、ビデオで日本の小学校の紹介を行いながらあいさつした。
 シンポジウムは最初にマリア・エレナ・ギマラエンス・デ・カストロサンパウロ州教育長官が「教育における日本移民百周年」をテーマに講演。「日本移民、農業だけに留まらず、芸術などの文化面でも大きな貢献をしてくれた」と称えた。
 続いて、サンパウロ州における教育システムなどについて説明を行った。日本の中学校、高校にあたる年齢の子供たちは、半分以上が州立学校に進んでいることに触れながら「サンパウロ州にとっては子供たちが重要な存在」と位置付け。また、サンパウロ州はブラジル内で入学率、卒業率が高いことなどを紹介した。
 最後に「これからもサンパウロ州と兵庫県と協力関係を保っていきたい。まだまだたくさん学ぶことがある」と締めくくった。
 日本側からは、岡野幸弘兵庫県教育次長が「兵庫県における多文化共生」として、兵庫県が取り組んでいるシステムなどについて紹介したほか、長尾彰夫大阪教育大学学長が、現在の日本における子供たちの学力問題に触れた「日本における子どもの学力問題について」、桂正孝大阪市立大学名誉教授が「日本における教育施策について」などをテーマに講演した。

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