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京都外大の住田教授=ENCEで研究報告=リオ

ニッケイ新聞 2008年9月16日付け

 京都外国語大学ブラジル・ポルトガル語学科長を務める住田育法教授は、八月二十七日午後にリオデジャネイロにあるブラジル地理統計院国立学校(ENCE)で「グローバリゼーションとローカル戦略―秩序と進歩X社会正義」について研究
報告を行った。
 今回の講演で住田教授は、植民地時代以来、ブラジル庶民層は、優勢なエリート層の抑圧に対して、抵抗を試みてきた。国旗に記されている「秩序と平和」の標語
は、一九世紀の経済自由主義の考えによって実行された共和国宣言のときの、実証主義を表現したことばだ、と強調。
 また、一九三〇年以降、ブラジルは工業国としてグローバリゼーションの道を歩んできたことを話した。また、八八年に公布された民主憲法により、民主的な大統領が選出された。以後、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ両大統領によって、ブラジルは「社会正義」の道を進み始めたことを説明し、講演を終了した。
 講演後は、様々な質問が出され活発な意見交換を行った。講演を終えた住田教授は「日本で研究していることをブラジルで発表でき、良い勉強になった。これからの研究に役立てたい」と感想を述べた。
 同報告会には、ブラジル地理統計院(IBGE)に所属している国立学校の地理統計学を学ぶ学生や研究者など三十人ほどが参加した。

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