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短歌集「明日があるから…」=阿部さん、日伯両語で出版

ニッケイ新聞 2008年9月20日付け

 サンパウロ市在住の阿部玲子さん(78、二世)が、このほど自身の短歌集「明日があるから…」を自費出版した。
 アラサツーバ生まれの阿部さんが短歌を始めたのは、日語学校に通っているときに良寛の歌に心を打たれたことに始まり、現在まで続けている。歌集を作るきっかけになったのは、息子に薦められたからだという。
 同書は、阿部さんが短歌を始めた一九四一年頃からの作品の内から、日本語の短歌三百九十四首と、日本語をローマ字にしてポルトガル語訳を付けた短歌二百十六首がそれぞれ収録されている。日本語の句の中には歌人だった両親の歌十五首ずつが入れられている。
 収録作品は、七十年続く短歌誌「椰子樹」に掲載されたものを中心に選びだした。自分の日記代わりに作っていた短歌を中心に、日々の生活状況が詠まれている。
 同書の編集を務めた新井勝男さんと本紙を訪れた阿部さんは、「二世だから日本語が分からなくて、本当に意味が合っているかを広辞苑や辞書で確認しながら短歌を作った」と苦労を振り返る。新井さんは「二世で歌集を出したのは初めてではないか」と評価し「とても素晴らしいものができあがっている」と賞賛した。
 「短歌をやっていなかったら、普通の奥さんだった」と話す阿部さん。「今は亡き夫も背中を押してくれたし、『よくやった』って言ってくれると思います」と嬉しそうに話した。
 発行部数は二百冊。サンパウロ大学日本文化研究所、国際交流基金の図書館、文協図書館などで閲覧できる。詳細等は太陽堂(11・3208・6588)まで。

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