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商船三井・芦田社長が来伯=史料館アーカイブ化に5万レ寄付

ニッケイ新聞 2008年10月1日付け

 日本の株式会社商船三井から芦田昭充代表取締役社長、宍戸敏孝常務、渡辺律夫常務、永田健一執行役員の四人が、九月三十日午後に文協ビル内のブラジル日本移民史料館を訪問し、同史料館が進めるアーカイプ・プロジェクトへの寄付金五万レアルの目録を山下譲二文協副会長に手渡した。
 同社は一八八四年に設立され、百二十年余にわたり産業や暮らしに必要なものを船で運んできた。一九一六年から同社の前身である大阪商船が、南米移住者のために移民船を運航してきたことからも、南米との関わりは深い。三十五隻の移民船のうち二十二隻を同社の船が占める。
 「百周年なので、社長自らお邪魔しなければならないと思って訪れた」と芦田社長は来伯理由を説明する。二十数年ぶり二回目の来伯で、前回は人事部長として駐在員の生活調査のために訪れた。一行は九月二十八日の朝に到着し、二日に離伯する。
 ブラジルの印象については、「世界経済が苦労している中で、一番強い国ではないだろうか」と話し、「前回の来伯時と比べると日系人のステータスが上がっているように感じる。日系人の勤勉さなどによりイノベーションが進んでいる」と感想を語った。最後に「史料館が進めるアーカイブ化にお使いいただければ」と期待を込めて話した。
 目録を受け取った山下副会長は「約二十五万人の移民の人たちがお世話になった、商船三井の社長自らが百周年の年に訪れたことに意義がある。デジタル化は大事な資料の保存・研究に必要なこと。世界に発する貴重なプロジェクトにいただいたことに感謝している」と喜びを表した。
 一行は、栗原猛史料館運営委員長の案内のもと、史料館内に展示されている史料をじっくりと見学していった。

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